3年間で1600体の亡骸と対面した元検視官が証言「異臭がする」「連絡が取れない」から始まる"検視"という仕事のリアル
「変死事案」はどのように発生するのでしょうか? 検視の仕事のリアルについて、元・検視官の筆者が語ります ※写真はイメージです(写真:Elnur/PIXTA)
検視官として勤務するなかで驚いたのは、ニュースになるような犯罪死体よりも、変死事案が多いこと。さらに驚いたのは、腐敗遺体の多さでした――。
年間160万人が亡くなる「多死社会」日本で、いま何が起きているのか。3年間で約1600体の遺体と対面してきた元・検視官が、「普通の人」の死のリアルを語る。
(山形真紀著『検視官の現場――遺体が語る多死社会・日本のリアル』より一部抜粋・編集。全3回の1回目)
始まりは通報から
検視業務は、警察が変死事案を認知することにより始まります。警察が事案を認知することになったきっかけを「認知の端緒」といいますが、変死事案における認知の端緒はさまざまです。
ある日、あなたが通勤のためバス停に向かって歩いていたところ、バス停の脇の空き地に意識不明の状態で倒れている人を見つけたとします。
驚いて「人が倒れています」と110番通報し、結果的に倒れていた人が亡くなれば、その110番通報が変死事案としての認知の端緒になります。
また、消防や病院などから警察に対し、検視の依頼として通報されることもあります。
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