更新世末期(3万年~1万年前)の日本列島には、大陸系や南方系と考えられる人々が分布していた。
DNA解析でわかった、日本人のルーツとは?
そんな先住民の子孫である縄文人と、その後に朝鮮半島や大陸からさまざまな経路で渡来してきた人々との混血により、現代日本人が成立したという「二重構造モデル」は、学術的には広く受け入れられている。
渡来してきた人々の移動開始時期は、紀元前2500年とも1000年とも500年とも言われる。
そしてとくに、長期にわたって主に朝鮮半島から鉄と稲作を持って渡ってきた人々と、その前からいた縄文人は一部混血をしたり、その文化を受け入れたりして、弥生人が形成された。
つまり弥生人には、主に朝鮮半島から渡来した人、縄文人との混血、そして新たな文化を受容した縄文人が含まれる。
弥生人に対しては、突然、日本列島に降ってきたか湧いてきたような認識の人が少なくないが、元をたどれば、総じてアジア大陸の影響を受けた民なのである。
一方、アイヌ系と沖縄系では混血があまり進まず、実際にも縄文人の遺伝子特徴を強く残すのは、北海道のアイヌの人々であることも、アカデミックの世界では常識である。
この意味で、「縄文人こそ日本のオリジナリティの証だ」と主張する方には特に、ぜひ北海道のアイヌ文化の保護に、より尽力してほしいところである。
(これをお読みの皆様にも、砂澤ビッキの作品をはじめとしたアイヌ文化の素晴らしい彫り物に、ぜひ触れてほしいところだ)
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