8月4日の配信記事「学生が『川柳・短歌』で詠んだコロナ禍の就活事情」では、就活生の川柳・短歌を紹介した。
自宅でのオンライン面接を家族に聞かれ、家族から手厳しいフィードバックを受ける学生や、画面のフリーズに気づかず面接担当者の仏頂面におびえる学生、内定辞退を男女の別れに例えて理解を求める学生、夜行バスで長時間かけて臨んだ面接がたったの10分で終わる虚しさをぶつける学生、さらには、オンライン面接中に大きな声でご飯の呼び掛けをする母親に焦る学生たちが、就活体験を素直に詠んだ川柳・短歌だった。
今回は、立場を変えて、企業の採用担当者による「採用川柳・短歌」の入選作品をもとに、企業(採用担当者)側の苦悩も見てみたい。
SNSをチェックしてみると…
まずは最優秀賞からだ。本来、最優秀賞は1作品だけであるが、今回は2つの作品が同点で並び、最優秀賞2作品、優秀賞1作品というイレギュラーな形をとる。
最近の採用活動では、応募者のSNS(InstagramやFacebookなど)で発言内容や掲載写真などをチェックして、普段の生活や考え方を探ることが珍しくない。
応募者が多い企業では最終面接に近い段階でチェックし、応募者がそれほど多くない企業であれば一次面接前からチェックすることもある。SNSでチェックしたところ、応募者が明らかに「パリピ(パーティー・ピープル:集まって騒ぎまくり、時に周りに迷惑をかける若者)」だった事実を発見してしまった作者が、学生の人となりを想像し、つい身構えてしまう心情を見事に表現した作品。自社のカルチャーにフィットするのかをとても不安に思う気持ちをうまく表現できている。実際に会ってみての印象はどうだったのか、面接結果も気になるところだ。
実は、作者はなんと昨年も最優秀賞を受賞している。初の2連覇達成というわけだ。東京在住とのことなので、機会があれば一度ぜひお会いしてみたいものである。
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