コロナ禍で売り手市場から一変した就活。厚生労働省と文部科学省が調査している「大学等卒業予定者の就職内定状況」によると、12月1日時点の2022年卒の就職内定率はで83.0%。コロナの影響を受け始めた2021年卒の82.2%は上回ったものの、2020年卒の87.1%には及ばない。コロナ前の水準にはまだ戻っていない状態だ。
そんな状況の中、「高い倍率で狭き門」となっている企業はいったいどこなのか。『就職四季報 総合版・2023年版』のデータを基に、新卒就活で総合職(技術系以外)の倍率が高い企業トップ100社を抽出した。
倍率は2022年4月入社予定の本エントリー(正式応募)数と内定者数を基に算出している。調査は2021年8月時点の数字のため、採用継続中の企業は暫定値の場合がある。
トップのノバレーゼは1000倍以上の競争率
結果を見ていこう。上位には知名度の高い食品メーカーやエンタメ企業が名を連ねる中、突出して1位となったのはノバレーゼ(1107.3倍)だ。コロナ禍で打撃の大きかったウェディング業界の企業で、内定者数が例年の10分の1程度に縮小した一方、応募者数は例年並みとなり、倍率が跳ね上がった。
『就職四季報 総合版』掲載全社を業種別に集計しても、ウェディング業界やレジャー業界を含むサービス業の倍率は平均87.9倍と、他業種を押さえトップになっている。採用抑制の動きが数字にも表れているようだ。
食品や化粧品・トイレタリーを含むメーカー(素材・身の回り品)も平均82.2倍と高い。ランキングを見ても、メーカー(素材・身の回り品)に区分される食品・水産業の企業は、雪印メグミルク(2位、482.3倍)を筆頭に10社ランクインしている。
マスコミ・メディア業界も平均77.5倍と高い水準で、ランキングには講談社(5位、308.2倍)やWOWOW(22位、176.6倍)など9社がランクインしている。就活生が日々の生活で企業名を目にしやすい食品メーカーやマスコミには、やはり人気が集まっているようだ。
一方、業種別で低い倍率となったのは、コンサルティング・シンクタンク・リサーチの平均27倍、建設・不動産の平均24.2倍、小売りの平均21.4倍だった。
倍率が高い企業はそもそも採用数(内定者数)が少ないうえ、知名度が高く人気が集まりやすい企業であることが多い。もちろんランキング上位には就活生にとって魅力的な企業も多数あるが、こういった企業を中心に選考を受けていくと、気がつけば持ち駒がゼロという事態にもなりかねない。これから3月の広報解禁にかけて、いかに視野を広げて企業を探すかということが、納得して就活を終えるための重要な要素となるだろう。
同データを基に、倍率が低めの「倍率が25倍以下で平均年収が高い100社」もシキホー!Mineで公開中だ。就活生は倍率が高い企業を見て気を落とさず、こちらも併せてチェックしてもらいたい。
他にも新卒3年後離職率や平均年収などの企業データを見ることで、今まで知らなかった優良企業を見つけられることもある。知名度に頼らない企業探しに、ぜひ『就職四季報』やシキホー!Mineのデータを活用してもらいたい。
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