いったん落ち着いたかと思いきや、オミクロン株の大流行によって、まだまだ収束が見えないコロナ禍。この2年間、コロナ禍は就職市場にも大きな影響を与えている。
コロナ禍が始まる前に人気のあった業種(旅行業界、ウェディング業界など)は、業績不振から採用を絞るようになり、求職者側も安定性を求める傾向が強くなった。筆者が所属しているUZUZでのキャリア相談においても、次の仕事に「手堅さ」を求める人が増えている印象だ。
特にIT分野への就職、転職希望者はコロナ禍で急増しており、20代だけでなく、30代や40代といったミドル世代でも転職希望者が増えている。IT就職の増加傾向は、2021年9月30日の配信記事「コロナ禍で急増している「未経験IT就職」の実態」でも触れているので、こちらもぜひ読んでほしい。
「IT業界はブラック」という口コミは多い
ただ、転職希望者が増えている一方、ネットで目にする「IT業界のブラック情報」への不安を口にする人も非常に多い。具体的にはどのような情報かというと、次のような情報だ。
・ITエンジニアは稼げない、搾取される
・スキルが身につかない(エンジニアとは名ばかり、誰でもできる仕事)
・派遣先からの扱いがひどい、残業が多い
このように、IT業界に対して「ブラックな職場」と指摘する口コミも多く、堅実なキャリアを考えている人にとっては不安材料も多い仕事だと言える。本稿では、IT分野の中でも特にブラックな印象が強いIT派遣やSES(システム・エンジニアリング・サービス)に絞り、ブラックと言われる理由を検証し、対処できるものはその対処法を解説する。
私は就職エージェントという立場のため、IT業界を外部から見た情報には詳しいが、実体験があるわけでもない。IT業界の内部情報も含めて解説するため、ITエンジニアとして派遣されていた経験を持ち、現在はSES事業を行うエージェントグローを経営する河井智也社長に話を聞いた。
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