就活「自己分析」哲学や自尊心をかけてはいけない 「自分は何のために生まれてきたのか」は必要ない

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「自己分析のワナ」に陥っていないか (画像:ひとりごと/PIXTA)

「自己分析」、という言葉を聞いたことはあるだろうか。就職活動でいつからか生まれた「自分を振り返って分析する」プロセスである。

現在の就活は、初期選考でエントリーシートの提出がほぼ必須となっている。エントリーシートには自己PR文や志望動機、長所や短所をまとめた文を提出する必要がある。その材料となるのが自分を振り返る「自己分析」となるわけだ。そしてこの自己分析には、就活生を捉える大きなワナが待ち構えている。

哲学になりがちな「自己分析」

そもそも「自己分析をする」とは一体何をすればいいのか。悩んだ就活生に最も多く降り注ぐアドバイスは「自分史を作ってみよう」である。自分が過去に頑張った経験を書き出して、自分がどんな人生を歩んできたのか、そして何を得意としているのかを見つけよう、というわけだ。

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実はこれ、優秀な学生には有効である。優秀な学生は点と点をつなげて線にする思考を得意としている。だから、過去の自分がなしてきたことを書き出すだけでも、自分の強みや弱みを把握し、エントリーシートへ落とし込むことができる。

問題は、大多数の「普通の就活生」たちだ。過去の自分がやってきたことを書いてみても、平凡にしか見えない。その時ごとに判断軸は異なるうえに、過去の自分が何を考えていたかなど思い出しようもない。

「私って・僕って何者なんだ?」
 「何か得意なことなんて、あるんだろうか」
 「自分は何のために生まれてきた?」

と、哲学の沼にハマってしまう学生が、あとを絶たないのである。中には、自己分析の過程でうつ鬱になってしまった就活生の相談を受けることもある。

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