「新卒が3年で辞める」のは本当に悪いことなのか キャリアアップの環境整備が不可欠な時代だ

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キャリアアップやミスマッチ……早期離職の理由とは (写真:Fast&Slow/PIXTA)

皆さんは「転職」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 欧米では、転職は「キャリアアップ」です。しかしひと昔前の日本においては、転職はネガティブに捉えられる傾向が強かったと思います。

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20世紀の日本では、働き方の考えの根底には、個人のキャリア形成よりも終身雇用制度が根強くありました。社会人人生の面倒を手厚く見る代わりに、日本は世界に誇る技術力の高さを獲得し、世界有数の経済大国にまでなりました。しかし現在、先進国では物による豊かさを求める時代は終わり、日本の製造技術力の強みも以前ほどではなくなっています。

同時に、働き方についての考えは大きく変わり、ジョブ型雇用・成果主義にみられるように、欧米型に近くなっています。企業側も終身雇用を前提とせず、働く人も長い間1つの会社で働くことをよしとしなくなっています。日本においても、転職によってキャリアアップを図ることが当たり前の世の中に変化しつつあるのです。

大卒より高い高卒新卒の離職率

「36.9%」。これは、厚生労働省が2021年10月に発表した、2018年に年に入社した高卒社会人の3年以内離職率です。前年と比較すれば、コロナ禍で転職がしにくかったため、離職率は下がっていますが、各年度を見ると、平均して高卒生は4割、大卒生は3割が3年以内に離職をしています。

これらの離職は、「キャリアアップ」のための離職なのでしょうか? 大卒はキャリアアップのため、自分が目指したい仕事、やりたい仕事に就くために3年以内でも離職する傾向があるかもしれません。

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