--シンプルなビジネスモデルという“見えない垣根”の中でエンジニアを“放し飼い”にしているとのことですが、1つのプロジェクトを進める上では何か“見えない垣根”を設定していますか。
プロジェクトのサイズは限定しています。プログラミングは著述業です。長編小説を書くようなものなので、本当は1人ですべてを書き上げたほうがいい。
1つの長編小説を章ごとに何人かで分担して自由に書かせたら、物語が破綻しますよね。プログラミングでも同じことが起こるので、チームの人員はなるべく1ケタに抑え、コーディングスタイルも限定します。最後は決められたコーディングスタイルで読みやすいものになっているかというコードレビューも行い、コードが複雑にならないよう心掛けています。
同時に、社内外で起きていることや、新しい言語や技術などの最新情報をつねに提供するなど、エンジニアがプロジェクトに埋没してしまわないような配慮もしています。
--社内会議はどのように行われていますか。
普段からメールやチャットなどグーグルアップスにあるようなツールを利用してコミュニケーションを図っているので、グーグルは特に会議で何かを決めるという雰囲気はありません。階段ですれ違ったときの立ち話があとでそのとおりになった、なんてこともあります。
もちろん何かを決めなければいけないときもありますが、私が出ていたオフィサーの会議でも、基本的には問題がないかどうかの確認でした。
--グーグルの経営手法は他社にも活かせますか。
できる部分とできない部分があるでしょう。