JR東海グループ「鉄板ナポリタン専門店」の挑戦 創業初の路面店をオープンさせた1人の社員

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「昔ながらのナポリタン」750円(昼は650円)。いずれもミニサラダ付き(写真:JFS)
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今年2月、愛知県名古屋市JR中央本線金山駅近くのJR高架下に鉄板ナポリタンの専門店「とらのこ亭」がオープンした。鉄板ナポリタンとは、その名の通り、熱々の鉄板で食すナポリタン。盛り付けた麺の周囲に溶き卵をかけ回しているのが特徴だ。

イタリアンスパゲティとも呼ばれ、昭和30年代に名古屋市内の喫茶店で生まれた。古くから営業している店では必ずと言ってよいほど用意している。しかし、筆者の知る限り、これまで名古屋市内に鉄板ナポリタンの専門店はなかった。

経営母体はJR東海のグループ会社

早速、店の名物である「昔ながらのナポリタン」を作ってもらった。巷の鉄板ナポリタンよりも麺が太くてモチモチの食感。何よりもケチャップの味がよそとはまったく違う。酸味が少なく、味に深みがあるのだ。筆者がこれまで数え切れないほど食べてきた鉄板ナポリタンの中でも間違いなく上位3位以内に入るだろう。

「喫茶店では野菜と麺を炒めてからケチャップで味付けしますが、ウチはまずケチャップにしっかりと火を入れて酸味を飛ばしてから麺を炒めます。麺も2.2ミリの極太麺を使っていますから、もっちりとした食感が楽しめます」と話すのは、「とらのこ亭」の店長、内田光一さんだ。

「とらのこ亭」外観(筆者撮影)

さらに話を聞いてみると、意外なことがわかった。店を運営しているのは、JR東海のグループ会社、ジェイアール東海フードサービス(以下、JFS)だったのだ。JFSが運営する飲食店は全48店舗。それらは名古屋駅をはじめとするJR東海の駅構内や駅ビル、商業施設にある。

一方、「とらのこ亭」は前にも書いた通り、JRの高架下。JFSが路面店、それも駅や商業施設以外に出店するのは創業以来初めてのことだという。

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