初期投資40万円でも成功したラーメン屋の秘密

設備はカセットコンロと家庭用IHヒーターのみ

初期投資費用「40万円」のラーメン店が成功した理由とは?(写真:川西麺業Twitterより)
「開業資金は最低1000万円」「1日100杯売れないと厳しい」と言われるラーメン業界。そんな厳しい環境下、初期投資40万円、店の設備はカセットコンロ2つと、家庭用IHヒーターという異色のラーメン店がある。そこではいったい、どんなラーメンが出されるのか? そして今もファンを増やし続ける理由とは?
作家で経営コンサルタントのえらいてんちょう氏による『しょぼい起業で生きていく 持続発展編』より一部抜粋・再構成してお届けする。

今や国民食となったラーメンは、全国あらゆる場所で営まれる人気の商売です。ただ一般的には、リスクも大きい業態とされています。

「ラーメン店開業」で検索すると、ヒットするのは「開業資金は最低1000万円」「ガス代だけで月10万円が消える」「1日100杯売れないと厳しい」といったハードな情報ばかり。「3年以内に7割が廃業」という調査結果(FoodistMedia)まであり、生半可な夢を打ち砕くには十分すぎる内容となっています。

わずか「40万円の投資」で成功したラーメン店

しかし、こうした常識がすべてなのでしょうか。大阪府に接する兵庫県川西市の玄関口・川西能勢口駅から徒歩1分というロケーションで2019年8月にオープンした「川西麺業」は、しょぼい起業のコンセプトを採り入れ、おそらく日本最少レベルと思われる「40万円」の投資でラーメン店を開業。維持費も同じく最低限に抑えつつ、着実にファンを増やしています(なお、以下の取材情報は2020年1月のものです)。

駅前の大通りから1本入った路地に面する川西麺業。のれんをくぐると、カウンター5席のこぢんまりした店内が目に入ります。

限定メニューも含めてラーメン6種類、丼もの2種類を提供していますが、いちばん人気は「濃すぎない・さっぱりしすぎない絶妙なライン」と店長も自負する「まぜそば」(800円)。サバみそと豚のうまみ、フライドオニオンの甘みに加えてスパイスの豊かな香りが口の中に広がり、すでにリピート客も多いといいます。

居抜き店舗の厨房はお世辞にも広いとは言えませんが、驚くのはその内部です。スープで満たされた寸胴が鎮座するガス台や、取っ手つきのザルがいくつも刺さって湯気を上げる茹で麺器など、ラーメン店おなじみの設備が見当たらないのです。

代わりにあるのは、サークル仲間との鍋パーティーで出てくるようなカセットコンロ2つと、家庭用のIHヒーター。

「家庭用冷蔵庫や鍋などと合わせて、厨房設備にかけた費用は約5万円。都市ガスもプロパンガスも引かず、月の光熱費は1万2000円ほど」と店長は明かします。

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