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初期投資40万円でも成功したラーメン屋の秘密 設備はカセットコンロと家庭用IHヒーターのみ

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元日を除きほぼ無休で、久木田さんの系列店スタッフに週1回の応援を頼むほかは、昼3時間・夜4時間の営業と、合間の仕入れと仕込みを1人でこなす松井さん。

少しずつ増やしているメニューの開発に加え、既存メニューへの細かな改良も日々怠りません。SNSでは「以前食べたときより格段においしくなっている」との書き込みも見られます。

「客から怒鳴られた」苦い経験

「定評ある有名店でさえスープや麺、チャーシューをどんどん進化させている。同じものを出していてはお客さんに納得してもらえないし、僕自身マンネリが嫌い」

こう語る志高き松井さんですが、独自に研究を重ねた調理法を見た客から突然「なってない」と怒鳴られるなど、心が折れそうになる場面は何度かあったといいます。

それでも休まず営業を続けてこられたのは「文句が出ないくらいうまいものを出そうという反骨精神」と「あらゆる要望に応えようとせず、8割方の客からの支持を目指す」という決断、そして「個人事業の悩みを共有できる周囲の仲間とのつながり」があったからだそうです。

『しょぼい起業で生きていく 持続発展編』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

20代半ば、しかも開店半年を待たずして、個人の生業として成り立つ月商40万円前後を安定して稼ぐ店をつくり上げた松井さん。

とりあえずは成功ですか、と尋ねたところ「神戸や大阪で勝負できるかといえば、まだまだ技術力不足」と満足していない様子。食べ歩きの記憶に照らして冷静に自店を分析し「味をもっと磨いて川西麺業というブランドを確立し、フランチャイズ展開できるまでにしたい。まずは右腕になる副店長を育てられたら」と夢を描きます。

会社組織から離れ、しょぼい起業を選んだことについては「前職の収入にはまだ届かないけれど、『お金=幸せ』ではないことを実感している」とのこと。しょぼい起業に興味を持った人にメッセージをとお願いしたところ、しばし考えた後、こう答えてくれました。

「手間を考えると、単純にお金目当てならほかの方法を勧めます。でも『こんなラーメンがつくりたい』といった目的がある人は、しょぼい起業で実現したほうがいい。大儲けはできないかもしれませんが、それで十分暮らしていけると思います」

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