「あの人は私に悪意がある」と考えすぎる人の盲点 感情的な論理で、ありもしない意図を見いだしがち
「車の割り込み=悪意」は割に合わない
「ハンロンのかみそり」とは、相手の行為が単なる「間違い」で説明できるのであれば、必要以上に悪意を想定してはいけないという考え方です。複雑な現実世界でこの考え方を取り入れれば、相手を必要以上に疑ったり、固定観念に縛られたりするのを避け、ある現象における別の「第3の可能性」に気づけるようになります。
例えば、あなたが運転する車の前に他の車が割り込んできたとき、あなたはどう感じるでしょうか? 車の割り込みが悪意によるものと考えれば、あなたは同時に「割り込んだドライバーは大きなリスクを冒している」と想定していることになります。
故意にあなたの邪魔をするためには、かなり高度な技術が必要です。まずあなたの存在に気づき、あなたの車の速度を読み、進行方向を考慮し、あなたにブレーキを踏ませるのにぴったりのタイミングで割り込み、それでいて事故を起こさないようにする。果たして、邪魔することが目的の相手がここまで計算するでしょうか?
より単純でより可能性の高い説明は、「相手があなたに気づいていなかった」というものです。ただのミスであり、何も意図はなかったという解釈が最も真実の確率が高い。それなのに、なぜ私たちは「故意に割り込んだ」とつい想定してしまうのでしょうか?
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