目の前の問題しか見えない人と先を読む人の大差 できる人は「影響の影響」まで考えている

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歴史を見れば「二手先」を読む者が常に勝者になっています(写真:AH86/PIXTA)
ビジネスの世界で「長期的視点」の重要性は疑うべくもありません。では「長期」とはどのくらいのスパンを考えればよいのでしょうか?
古今東西の知者たちの考え方を分析し蓄積、ウォール街のビジネスパーソンに発信するシェーン・パリッシュ氏は、著書『知の巨人たちの「考え方」を一冊で、一度に、一気に学びきる グレートメンタルモデル』で「影響の影響」を読む「二次的思考法」を取り上げています。同著より、抜粋・再編集してお届けします。

「専門家は、自分たちの専門分野とその周辺領域に限定されて思考しがちだ。ある問題を解決しても、全体を解決することはできない」――このバーバラ・マクリントック(米・細胞遺伝学者)の言葉は、目の前の問題の解決が長期的にはプラスにならないケースを指摘しています。

この短絡的思考の落とし穴を防ぐのが「二次的思考法」。先の先を考え、物事を全体的な視点から捉える考え方です。自分の行動とその結果だけでなく、「その結果がもたらす影響」を考慮することで、より長期的な成果につなげる思考パターンです。

コブラ対策が「コブラ養殖」を生んだ

ある行為の結果からその第2段階として発生する影響は、手遅れになるまで考慮されないことが多く、「意図しない結果の法則」と呼ばれます。歴史を振り返れば、おびただしい数の「意図しない結果」に遭遇します。

インドを植民地支配していたイギリス政府は、デリーに猛毒のコブラが増えていることを問題視していました。そこで毒蛇を減らすため、死んだ蛇を当局に持ち込むと報奨金を与えることに。

この政策が始まると、インドの人々はせっせと蛇を飼育して殺し、役所に持ち込むようになります。イギリス政府高官に「二次的思考」の視点が欠けていたために、毒蛇問題はそれを解決するはずの報奨制度によって悪化してしまったのです。

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