「14時頃に眠くなる人」が知らない睡魔の正体 昼寝や朝風呂、朝ランもやりすぎは禁物だ

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ランチの後の眠気。仕事に差し支えることもあります(写真:プラナ / PIXTA)
「春眠暁を覚えず」の言葉どおり、気温がだんだん上昇し、ついウトウトしてしまう……そんな春の季節がやってきました。
会議中についウトウト……。セミナーや講義を受けている最中に、うつらうつら……。のんびりするには良い季節ですが、あらぬときにやってくる「睡魔」は困った存在です。
どうして眠気はやってくるのか、どうすれば睡魔に打ち勝つことができるのか――。『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者であるスタンフォード大学医学部教授の西野精治氏が、最新科学で裏付けられた眠気のメカニズムと対策を解説します。

「ランチを食べたから眠くなる」は誤解

「日中眠くなる」悩みを抱える人はたくさんいると思います。

私もかつてはその1人でした。

「単純に睡眠が足りない」ことが原因のケースも多いので、最低でも6時間は睡眠を確保してほしいのですが、「睡眠が足りていても」眠気がやってくるケースはあります。

たとえば、お昼過ぎ14時ごろにやってくる「眠気」。よく、「お昼ご飯を食べると、その消化のために胃や腸に血流が集まり、脳に行く血流が減るので眠くなる」といわれていますが、どんな状況であっても「脳への血流」は第一に確保されることがわかっています。

なので、ランチは午後に眠くなる要因ではなく、14時ごろに眠くなるのは「アフタヌーンディップ」と呼ばれるヒト固有の生理機能です。ランチは「食べても」「抜いても」、その後眠くなるのです。

「ランチ後にやってくる眠気」は、厳密にいうと「眠気」ではなく、満腹感からくる「気だるさ」。この気だるさを助長しないためにも、ランチにヘビーミールをとるのは避けたほうがよく、極端な話、あまりに重い食事をとるとオレキシンなどの覚醒系物質の働きを抑制してしまう可能性もあるので注意が必要です。

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