「14時頃に眠くなる人」が知らない睡魔の正体 昼寝や朝風呂、朝ランもやりすぎは禁物だ

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最近、「仮眠をするとパフォーマンスが上がる」ことがよく取り上げられています。しかし、注意していただきたいポイントもあります。

高齢者337人のアルツハイマー患者とその配偶者260人の「昼寝の習慣と認知症発症リスク」について解析をおこなった報告があります。

興味深いことに「30分未満の昼寝」をする人は「昼寝の習慣がない」人に比べて、認知症発症率が約7分の1でした。

そして、「30分~1時間ほど昼寝をする」人も、「昼寝の習慣がない」人に比べて発症率が約半分になることがわかったのです。

これだけみると、「昼寝は認知症を遠ざける」といえそうですが、「1時間以上昼寝する」人は、「昼寝の習慣がない」人に比べて発症率が2倍も高いことがわかりました。

この結果から、昼寝をしすぎるとかえって脳にダメージを与える可能性があり、30分未満にとどめたほうがよいといえるでしょう。

ほかの研究でも、「20分程度の仮眠」は確かに脳のパフォーマンスを上げるという報告が多いのですが、そもそもいくら昼寝が良いといっても「昼寝できる環境にない」人がほとんどではないでしょうか。

なので、「仮眠でどうにかする」よりも、まずは「睡眠時間を6時間確保する」「眠りの質を上げる」ことに取り組んでいただきたいと思います。

「朝、すっきり目覚められない」のはなぜ?

また、「朝起きても眠気が消えない」人も多いのではないでしょうか?

これには、「慢性的に睡眠負債がたまっている」「睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の疑いがある」「眠りが浅くなるレム睡眠のタイミングで起きられていない」などの原因が考えられます。

特に、眠っている間、1時間に15回以上呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は危険で、なかには1時間に60回近く呼吸が止まる人もいます。これは、1分ごとに、10秒も20秒も首をぐっと絞められたのと同じ状態で、これでは眠った気もしないでしょう。

無呼吸は無自覚なことが多いので、「起きがけの眠気」が何日も続くのに、睡眠不足の自覚がないなら、「睡眠時無呼吸症候群」を疑ってみて、睡眠外来の受診をおすすめします(日本人は顔が平たく、あごが奥まっていて気道が狭いので、やせていてもこの疾病にかかるリスクがあります)。

また、睡眠が浅くなった「レム睡眠」で起きられないことも、起きがけに頭がすっきりしない一因です。

この対策としては「アラームを20分間隔・2つの時間でセットする」方法があります。これは、「ノンレム睡眠とレム睡眠が切り替わる」朝のタイミングを狙う作戦で、実行に当たっては、1回目のアラームの音をごく微音で短くセットすることを心掛けてください。レム睡眠は覚醒しやすいので、小さい音でも反応しやすいはずです。

1回目が深いノンレム睡眠中で気づかなくても、2回目の通常のアラーム音で反応できると思います。こういうふうに時間の幅を設け、2つの音量でアラームをセットすることで、目覚めのよいタイミングで起床できます。

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