「寝不足に悩む人」が知らない眠り方の新常識 いつもどおりのリズムを崩さないのが肝要だ

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「たくさん寝ているはずなのに…」という人のために(写真:Ushico / PIXTA)
「自分の睡眠に満足している」
こう言い切れる人はどれくらいいるでしょうか?
「朝起きるのがつらい」「日中眠たい」「寝ても疲れが取れない」――。「寝られるならもっと寝たい」というのが多くの人の本音ではないでしょうか。けれど、「毎日仕事や家事に忙しいのに、今以上睡眠時間を増やすのは難しい」。これもまた、多くの人の実態でしょう。
「最高の睡眠を得るためには、量ではなく、質で考えてほしい」と『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者で、スタンフォード大学医学部教授・同大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治氏は睡眠の質の重要性を説きます。

 

多くの人にとって睡眠の量を増やして睡眠不足をカバーするのは現実的ではありませんし、ただ量を求めて「たくさん」眠っても、睡眠の問題は解決されないことが、最新の研究でわかっています。

「6時間寝てスッキリな人」と「8時間寝たのに眠い人」

「睡眠で大事なのは量か、質か」私はこう聞かれたなら「質を上げてほしい」と答えます。

もちろん、量が少なすぎると、「『睡眠不足を甘く見る人』が払う体への代償」(3月31日配信)で書いたようにさまざまな弊害が生まれるので、最低6時間は確保するのが望ましいです。そのうえで睡眠の質の向上に取り組んでほしいと考えています。

たとえば、6時間睡眠の人より2時間多く眠っている8時間睡眠の人も、質が悪ければ、6時間睡眠の人のほうが回復度は高く、日中のパフォーマンスもよいことだって十分ありえます。それくらい、睡眠の質は、「日中の覚醒」に深く影響しているのです。

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