「忙しすぎる日本人」が知らない心の休め方 デンマーク人が「世界一幸せ」な本当の理由
シンプルライフ、断捨離、ミニマリズムに続き、北欧の国デンマーク生まれのライフスタイル「ヒュッゲ」が、最近、欧米をはじめとする世界各国でブームになっています。
デンマークといえば、国連による世界幸福度調査で1位、3位、1位、2位……とつねに上位ランクインを続ける「世界一幸せな国」(日本は同時期において43位、46位、53位、51位)。その理由として良好な政治環境や優れた福祉制度を挙げる人もいますが、一方で、個人レベルの幸福度を高めている大きな要因に、「ヒュッゲ」に象徴されるデンマーク流の考え方や時間の過ごし方があるといわれています。
「ヒュッゲ」とは、ひとことでいえば「心地よさ」を表すデンマーク独自の概念。人とのつながりを通してあたたかさや癒やし、幸福感を得ること、あるいは一瞬一瞬を大切にしながら、好きなことに囲まれて過ごすこと、を意味します。
現在カナダに暮らすデンマーク出身の作家、ピア・エドバーグ氏は、いじめや失恋、失業といった困難を乗り越える中で、生まれ故郷のヒュッゲの考え方がいかに魅力的で大きな効果を発揮してくれるかを再発見しました。その経験をまとめた著書『Hygge(ヒュッゲ) 北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』から、日本人でも簡単に「心地よさ」を日常に取り入れられるヒントをご紹介します。
「忙しい生活」に追われていませんか?
現代社会を生きる私たちは、つねに忙しく動き回り、あふれる情報の波の中でもがいています。
最近、一瞬でも立ち止まって、いまの自分の置かれている状況を見つめ直したことはありますか?
ただ漠然と、無意識に日々を送っている人は少なくありません。ある日、ふとわが身を振り返って、どれだけの時間が知らず知らずのうちに経ってしまったかに気づき、愕然とする。時間は、砂が手からこぼれ落ちるようにどんどんと逃げていき、年をとればとるほどその速度は増していくのです。
私が生まれ育ったデンマークでは、昔から「ヒュッゲ」と呼ばれる考え方が大切にされています。これは、忙しい生活のスピードをちょっとゆるめて、人生本来の「心地よさ」を味わい、楽しむ余裕を取り戻すための暮らしの知恵です。
もともとはデンマークの長く暗い冬をうつうつとせず乗り越えられるように、あたたかい色のろうそくを灯したり、気の置けない仲間で集まって一緒にくつろぎのひとときを過ごしたりする習慣から始まりました。
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