「PTAに文句あるなら役員にまずなれ」論の問題点 PTA未加入者が改革や適正化を求める具体的方法

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PTAはいつでも退会が可能です(写真:mits/PIXTA)
PTAの役員決めでの保護者同士のもめごとは、もはやお馴染みの光景です。しかし、そもそも日本全国ありとあらゆるPTAは、入会も退会も個人が自由に決められる任意団体のため、役員や活動を強制される理由はどこにもありません。「PTAとはなるべく関わりたくない」「適度な距離感で」そう思っている保護者は、「活動には不参加」「非加入」「退会」という選択肢をとったり、不適切な運営に対し意見することもできます。PTA問題を追い続けてきた大塚玲子氏が、PTA未加入者・非会員・一般会員の立場でいかにしてPTAに働きかけるか、その方法を紹介します。
※本稿は『さよなら、理不尽PTA!』より一部抜粋・再構成してお届けします。

(前回:『「理不尽なPTA運営」にモノ申すときの重要な視点』

運営や活動に賛同できないなら退会も可能

子どもが在校生の場合、または新入生でも、すでに会費を納めたり活動に参加したりしているときは、「PTAに入っていません」とは言いづらいところがあります(入会届がないPTAなら、言ってもいいとは思いますが)。その意味で、改革・適正化を求めるのはいつでもよいわけですが、新学期前後は、管理職の先生も役員の保護者も忙しいので、可能なら避けたほうがいいかもしれません。

伝える方法は、校長先生と会長さんに、同じ手紙を送るのがよいかと思います。各地の教育委員会やP連が出した手引きや通知を添えるのもおすすめです。学校評価アンケートや、PTAからのアンケートに意見を記入することもできます。

可能なら、PTA総会に出席して、改革・適正化を求めるのもいいと思います。というのは、手紙や文書だけだと、他の人たちに問題が共有されづらいからです。総会の場で発言すれば、いろんな保護者や教職員に聞いてもらえますし、そのときは改善がなかったとしても、その場にいる誰かが覚えていて、何年か後に動いてくれる可能性もあります。

文書に考えをまとめて、総会のとき、みんなに配布するのもいいでしょう。おそらくその場で結論が出ることではないので、総会では問題提起にとどめ、期限を区切って、会長や校長先生に回答を求めると、シンプルに進みます。

難しいのが発言のタイミングです。総会は基本的に「例年通り」に行われる前提なので、出席者からの発言や提案は、あまり想定されていません。

事業や決算に関する質問を受け付ける時間はあっても、それ以外のこと――たとえば「意思確認が必要だから、入会届を配ってほしい」とか「必ず〇人という委員決めをやめて、手挙げ方式にしてほしい」といった運営の適正化については、発言のタイミングが見当たらないことが多いのです。そのため「いつ言おう?」と思っていると、そのまま終わってしまいがちです。

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