「添加物と無縁な生活」は許されないという現実 「普通のサンドイッチ」で胃腸がパニック?

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するとですね、た・し・か・に! 

私、いつの間にやらめちゃくちゃピュアな食生活! うっかりすると、添加物など1ミリも摂取せぬまま何日も過ごしているのであった。狙っているわけでも意識しているわけでもないのに、そうなっちゃっているんである。

だって毎日、玄米飯、味噌汁、ぬか漬けですよ! ぬか漬けも梅干しも自家製だから添加物など入る余地がないし、味噌も半分は自分で作っている(買うときもここは添加物フリーであることを意識している)。

味噌汁の出汁も、昆布や鰹節をそのまま投入して食べてしまうという超ザツなことをしているので、だしパックなど使うこともない。

となると、どこをどうやったって添加物が入り込むスキマなどないではないか!

これにはわれながらビックリしてしまった。ピュアすぎる食生活ってどうなの? と思って今の食生活に落ち着いたのに、気づけば誰よりもピュアになっちまっている……。

添加物フリー生活を許さぬ現代

ここで得た教訓は2つ。

その1。「ピュアな食生活」は自然食品店に通わずとも、質素な暮らしをしていればものすごくフツーに手に入る。つまりはまったくお金などかからない。具体的には一食150~200円程度である。

その2。現代では「ピュアな食生活」を送っていると、社会生活に支障が生じる。友達と楽しく食事に出かけた後で、倒れて寝込むということにもなりかねない。

……ということで、うっかり安くピュアな食生活を送っている私としては、普通の社会生活を送る必要上、定期的、意識的に、添加物入りのものを少しずつ摂取するよう心がけることとなった(個人的には「服毒」と呼んでいる)。どうにもこうにも妙な話だが、それが現代社会のミもフタもない現実なのである。

にしても、冷蔵庫のない私が食生活の手本としている江戸時代の人々は、考えてみりゃ当然添加物なんて口にしてなかったわけで、っていうか当時は添加物なんてなかったんですよね。それでフツーに暮らしが成り立っていた時代もあったのだ。われらのナゾの進歩を思う。

稲垣 えみ子 フリーランサー

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いながき えみこ / Emiko Inagaki

1965年生まれ。一橋大を卒業後、朝日新聞社に入社し、大阪社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめる。東日本大震災を機に始めた超節電生活などを綴ったアフロヘアーの写真入りコラムが注目を集め、「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演するが、2016年に50歳で退社。以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。著書に『魂の退社』『人生はどこでもドア』(以上、東洋経済新報社)「もうレシピ本はいらない」(マガジンハウス)など。

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