コロナ禍で急増している「未経験IT就職」の実態

志望者は若者だけでなく、30~40代にも広がる

筆者が現場でキャリア支援を行っていると、最近は20代だけでなく、IT就職を希望する30代や40代の求職者の相談を受けることがある。その多くは、今までITとまったく関係のない仕事をしていたが、コロナ禍による業績悪化や社会構造の変化もあり、IT業界への就業を希望している。具体的にIT業界への転職を考えている求職者の理由にはどのようなものがあるかというと、次のような理由だ。

・コロナ禍でも成長した数少ない業界であり、今後も成長が見込める。
・今いる業界はコロナ禍で業績が悪化しており、将来に不安を感じる。
・リモートワークといった「働きやすい環境」を構築しやすいと思う。
・自分のスキルひとつで「環境」や「待遇」を手に入れられることに魅力を感じた。
・業績が安定している分野なので、自己成長に集中しやすい環境だと思う。
・もともとIT業界に興味はあったが、オンラインで提供されるサービスを利用することが増え、さらに意欲が上がった。

ただ、未経験者がIT業界への就業を希望しても、簡単に就職できるわけではない。ニーズが圧倒的に伸びており、慢性的に人手が不足しているため、一見すると「入りやすい業界」だと思われているが、実態は少し違う。

未経験者を採用すると、教育に人手が取られるうえに、即戦力としては計算できない。人手が足りないとはいえ、未経験者を多く採用してしまうと教育のためにリソースを割く必要があり、一層人手が足りなくなる可能性がある。そのため、業務経験者は圧倒的な売り手市場(すぐに就業先が決まる)なのに対し、未経験者に対する採用ハードルはあまり下がっていない。

特に30代や40代となると、企業も年齢的に未経験者としての採用は避ける傾向があり、実際にキャリア支援をしていても「ほぼ採用されない」という状況になっている。

未経験からIT就職するポイント

では、「未経験者はIT就職できないのか?」というと、そうでもない。ポイントは、「未経験者を採用している分野を選ぶこと」と「未経験者でもアピールできる材料を増やすこと」の2つだ。

1 未経験者を採用している分野を選ぶ

IT分野の仕事は、「開発系」と「インフラ系」の2つの分野に大別される。近年人気がある「Web系」という分野は、「開発系」に含まれ、「自社勤務」「Webアプリケーション開発」といった条件を満たす求人が多い。

しかし、この「Web系」ポジションは、求職者に人気がある一方、経験者採用が中心で、未経験者の採用をほとんど行っていない。未経験者で採用される場合、そのほとんどは新卒、さらに高学歴の人材に限られることが多い。

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