新卒採用、人事が語る「オンライン面接」の功罪 地方から参加しやすいが「空気感がわからない」

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コロナ禍で浸透したオンライン面接には、メリットとデメリット両面がある(写真:jessie/PIXTA)

2020年春からのコロナ禍は世界を混乱させ、新卒採用にも大きな影響を与えた。とくに目立った変化は面接のオンライン化だ。以前からITとネットを用いたAI面接が話題になることはあったが、導入企業はまれだった。しかし、コロナ禍によって対面面接が避けられ、オンライン面接が一気に広まった。

ただ、コロナ禍を予期してオンライン面接を準備していた企業はほぼ皆無だったはずだ。2020年1月まで国内の危機意識は低く、人事も大学も学生も例年どおりのスケジュールで採用広報と選考が進むと思っていた。ところが、コロナ禍によって新卒採用は停滞し、やむなくとった手段がオンライン面接だった。人事も学生も初体験だった。

今年の2022年卒採用でのオンライン面接は2年目になる。企業も大学もオンライン対応が進み、経験値は上がっているはずだ。2年目のオンライン面接を経験した人事はどのように評価しているのか? 2021年6月に実施した採用担当者対象「2022年&2023年新卒採用動向調査」(HR総研)の回答結果を基に、メリットとデメリットを総括してみたい。

地方学生の参加が増えた

オンライン面接のメリットはいくつかある。人事がまず気づいたのは、地方学生とのアクセスが容易になり、応募が増えたことだ。対面面接では地方学生の負担が大きい。交通費のほかに場所によっては宿泊が必要になることもある。

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学生も大変だが、地方学生の選考では人事の負担も大きい。日程を調整して連絡し、交通費を支給するならその事務的手続きもある。オンライン面接はこれらの負担をすべて解消する。

「遠方の学生にも負担を掛けずに選考できる。会社としても出張費が大いに削減された」(1001人以上、百貨店・ストア・専門店)

「コロナ禍ではアプローチしづらい、地方学生との面接が実施できる点」(1001人以上、食品)

「時間、金といった経済合理性と、交通費精算などの雑務がなくなったこと」(1001人以上、情報処理・ソフトウェア)

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