新卒採用、人事が語る「オンライン面接」の功罪 地方から参加しやすいが「空気感がわからない」

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なぜオンライン面接では学生がわかりづらいのか? その理由は顔しか見えないからだ。人間同士のコミュニケーションで最も多くの情報を発信しているのは顔。だから「相手の目を見て話せ」「口角を上げろ」といったコミュニケーション術が重視されている。しかし、全身から発散される雰囲気も大切だ。とくに体格(身長)の与える印象は大きい。

「体格や、立ち居振る舞いのように、画面越しだとわからない部分がどうしてもある」(1001人以上、百貨店・ストア・専門店)

「顔くらいしか見えないため、立ち居振る舞いなど見られず、結果として見極めが難しい」(1001人以上、情報処理・ソフトウェア)

面接室で行われる質疑応答が面接だと思っている学生は多いようだが、そうではない。来社してから受付を済まし、待っているときの振る舞いを見ている企業は多い。ところが、オンライン面接ではこのような所作がまったく見えない。これを大きな課題とする企業もある。

「面接前後の様子を観察できない点。例えば、来社して部屋に案内されるまでの様子や、お茶を出して声掛けしたメンバーとのやり取り、面接後に見送られるときの会話など、何気ないところも細かく見て選考の参考としていたため、所作や雰囲気が感じ取れない点が課題」(300人以下、ビジネスコンサルタント・シンクタンク)

不慣れ・接続不良などのトラブルも

オンライン面接の問題として学生のカンペ使用があるが、そういう学生側の問題以前に「不慣れ」と「通信環境不良」がある。

「面接者が慣れていない」(301~1000人、印刷)

「面接官のふがいなさ」(301~1000人、情報処理・ソフトウェア)と自社の能力を嘆く声がある一方、「オンライン面接への不慣れさ(相対的に学生側)」(1001人以上、情報処理・ソフトウェア)のように、学生も不慣れな者がいるようだ。

通信環境はもっと深刻な問題だ。良い通信環境は双方の環境がマッチしなくてはならないが、なかなか難しい。

「集団面接となると、全員の通信環境が整わないと面接にならない」(301~1000人、医療機器)

「接続不良など、環境面でのトラブルが多い」(301~1000人、情報処理・ソフトウェア)

「Web環境の前提条件が一定ではないため、事前確認と配慮が必要」(300人以下、不動産)

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