新卒採用、人事が語る「オンライン面接」の功罪 地方から参加しやすいが「空気感がわからない」

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対面面接では場所の確保などのセッティングや連絡が面倒だ。しかし、オンライン面接の設定は容易。人事部の部屋の一画に面接用のブースを設定しておけばいつでも面接できる。出社しなくても自宅で面接することもできる。そして、コストがかからない。

「時間の融通が利く」(301~1000人、百貨店・ストア・専門店)

「時間的制約、会場設置の軽減」(300人以下、電機)

「経費の削減、ペーパーレスの推進」(301~1000人、食品)

面接は、人事部門だけでなく、他部門や取締役・経営者が面接担当者になることも多い。その依頼や時間の調整、場所の設定が非常に面倒だ。オンライン面接ではそうした気苦労がなくなり、人事の負担が軽減した。

「上長層のアポイントのしやすさ、記録できることで見直しができる」(301~1000人、機械)

「面接官を本社に集める必要がない。コロナ感染リスクがない点など」(1001人以上、電力・ガス・水道・エネルギー)

雑務のないオンライン面接では設定の自由度が増し、面接に集中できる。人事と学生の双方の負担が小さいので、オンライン面接では深い会話ができ、じっくり面接ができるという評価がある。

「発言内容に集中できた」(301~1000人、医療・福祉関連)

「面接内容を録画できる」(300人以下、その他メーカー)

「距離感を縮めてじっくりと面接ができた。また対面と違い、学生さんの待ち時間がないのがよい」(301~1000人、食品)

デメリットは「顔しか見えない」

オンライン面接のメリットは多かったが、「いいこと尽くめ」ではない。「特に目立った課題は無い認識です」という意見はたった1人だけで、ほとんどの人事は画面越しの面接での限界に悩んでいる。

多いのは、「わかりづらさ」だ。

「空気感がわからない」(300人以下、建築・土木・設計)

「相手の表情や様子などのノンバーバル情報を読み取りづらい」(300人以下、その他メーカー)

オンラインと対面の評価が逆転することも多い。

「オンライン面接で評価の高い学生が対面ではまったくレベルが高くないなど、見極めがまったくできていないことがあった」(1001人以上、食品)

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