新卒採用、人事が語る「オンライン面接」の功罪 地方から参加しやすいが「空気感がわからない」

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学生コメントを読むと、かなり多くの企業で面接担当者のトレーニングが不足していることがわかる。そこで面接官のレベルアップによって、オンライン面接による選考を円滑に行おうとする企業が目立つ。

「面接担当者へのオンライン面接講座を実施」(1001人以上、情報処理・ソフトウェア)

「質問の工夫とその答え方に対する事前の面接官同士のすり合わせ、仮説想定」(1001人以上、情報処理・ソフトウェア)

アンケートによって面接の精緻化を図っている企業もある。「事後アンケートの実施」(301~1000人、医療機器)は研修後に実施して参加者の評価を調べることがあるが、オンライン面接でも有効な方策だろう。

事前アンケートを求める企業もある。漫然とエントリーシートを読みながら面接するのではなく、一定の質問に対する回答を比較しながら面接すれば学生評価の間違いは少なくなるはずだ。

「例年よりも面接前の事前アンケートの項目を増やした」(300人以下、不動産)

「面接前に、独自の面接シートの提出を求めた」(1001人以上、その他サービス)

新卒採用で定着したオンライン面接

昨年と今年は緊急事態宣言の発出によって対面面接がしづらかった。やむなくオンライン面接に切り替えたという側面がある。しかし、選考のオンライン化を歓迎する学生は多い。とくに地方学生にとっては福音であった。

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企業にとっても多くの学生の参加があり、設定が容易というメリットがある。不慣れなのでオンラインと対面の評価が食い違うというデメリットがあるが、事前・事後のアンケートの実施、面接官トレーニング、質問内容の精緻化などの工夫でデメリットは少なくなっていくはずだ。業務のオンライン化はこれまで以上に進んでいる。そして、コロナ禍の状況に限らず、2023年卒採用でもオンライン面接は定着していくだろう。

気になるのは学生の就活準備だ。2023年卒の学生は2019年4月に入学して以降、2年目からほとんどキャンパスに入っておらず、講義はオンラインで行われてきた。キャンパスライフがほとんどないまま就活を行う学生に不便はないのだろうか?

学生へのキャリア支援の主役がキャリアセンターだ。キャリアセンターの役割はこれまで以上に大きいと思う。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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