「栗原はるみ」と「今の料理家」との決定的な違い 女性料理家が主婦と呼ばれがちな事への違和感
今最も人気の高い料理家の1人、山本ゆり氏はあるモヤモヤを抱えている。それは、テレビなどのメディアから取材を受ける際、プロフィールに「主婦」と入れられることだ。
累計発行部数700万を超えるレシピ本シリーズ『syunkonカフェごはん』の著者で、料理コラムニストを名乗る山本氏の活躍ぶりは目覚ましい。ツイッター、インスタグラムのフォロワーはそれぞれ100万人超え、料理レシピ本大賞でもたびたび入賞し、今年はエッセイ集とレシピ本のダブル受賞をしている。
「料理家」というキャリアを築いているにもかかわらず、いまだに主婦の延長線上にある仕事と捉えられるのはなぜなのか。平成を代表する料理家、栗原はるみ氏と、デビュー10年で人気料理家に成長した山本氏を比較しながらその理由を考えてみたい。
「カリスマ主婦」と紹介されることも
10年前に結婚し、3人の子を持つ山本氏は、単に「主婦」と書かれるだけでなく、「カリスマ主婦」と紹介されることもある。しかしそれは「主婦の方に申し訳ない」と山本氏は言う。それは、自身を「どちらかといえば仕事人間」と位置づけていることに加え、家事が苦手だからだ。
同氏の『おしゃべりな人見知り』では、「料理以外の家事がすべて苦手、そして嫌いだ。掃除も嫌いだし、アイロンがけは嫌いとかいうレベルを超えてもういっさいしてないから家事にすら入れてない」「なかでも特に嫌いなのが洗濯である。しかも洗濯は逃れられない」と書いている。
一方、栗原氏の家事へのスタンスは山本氏とは異なる。2011年放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、洗濯や掃除も好きでふだんの家事も全力で行いながら、レシピ開発にも一切の妥協をしない姿が報道されている。26歳で結婚して専業主婦になり、テレビキャスターだった夫の仕事仲間を通じて料理家になったという経緯も、自身を主婦と位置づける動機になったのだろう。
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