既婚者が話す「結婚の苦労」は半分ウソである

仕事人間が40歳で電撃結婚してみたら…

自意識は高く野心もあるが、根本的には自信がない。麻子さんのような高学歴者は少なくない?(イラスト:堀江篤史)

「『晩婚さんいらっしゃい!』を読んで結婚にあこがれを抱き、40歳で5歳年下男性と結婚しました」

見知らぬ女性から筆者の下にこんな連絡が入った。社交辞令もあると思うが、実際に少しは役に立ったのだろう。2014年の夏に、晩婚である自分自身を励ますつもりで始めた本連載。他人の幸せにささやかな貢献ができる日がくるとは……。コツコツと続けてきたかいがあった。正直言って、体温が上昇するほどうれしい。

自分を成長させることに精いっぱいだった日々

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早速連絡を取り、インタビューをさせてもらう約束を取り付け、東京・日比谷にある帝国ホテルのアフタヌーンティーを予約した。約束の時間どおりに現れたのはフリーでテレビ関連の仕事をしている小林麻子さん(仮名、41歳)。細身にグレーのニットワンピースがよく似合い、ブレスレットや指輪などの装身具をセンスよく身に着けている。麻子さんはやや圧倒されるほど感じがよく、会話上手だ。20代の頃から大いにモテたはずだが、結婚には気持ちが向かなかったという。

「私は28歳まで地元のテレビ局で働いていました。地方ですから周囲の結婚は早いですよ。28歳で結婚したとしてもすでに晩婚です。私は仕事が面白い一方で、『まだ何もやり遂げていない、大人になれていない』という気持ちが強くありました。結婚したいと思ったことはありません。小さい頃から、一度に1つのことしかできない性分なんです」

特に高学歴者には麻子さんと同じようなタイプが少なくないと思う。自意識は高く、野心もあるが、根本的には自信がない。だから、勉強や仕事で実績を重ねて「立派な大人」になろうとする。その途中段階で家庭を築く資格はないと思い込んでいるし、未熟な自分に惹(ひ)かれるような人と結婚したいとも思わない。自分を成長させることに精いっぱいなのだ。

会社を辞めてフリーランスになった麻子さんは上京を決意。地元で磨いていた実力を発揮して、仕事上の目標を次々にクリアしていった。

「どれも私の実力を超えているような目標です。運もよくて、仲間に恵まれたおかげだと思っています。これ以上は無理だと感じるほど頑張りました。37歳ですべての目標がかなってしまった後は、燃え尽きて次の目標を見つけられなかったぐらいです」

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