五輪開催でも「侍ジャパン」の存在意義が薄らぐ訳

築き上げた国際戦略がコロナの影響で瓦解

2019年東京五輪予選を兼ねて台湾で行われたプレミア12、台湾ー日本戦の観客(台中)(写真:筆者撮影)

東京オリンピック野球競技のアメリカ大陸予選でキューバが敗退した。この大会は1位チームが五輪出場権を得るほか、3位までに入れば世界最終予選に進むことができるが、キューバは1次ラウンドで連敗し、それにも入らなかった。

五輪野球競技は公開競技も含め7回行われたが、キューバは金3、銀2の最強チームだった。アマ選手しか出場できなかった時代、いわゆる「ステートアマ」をそろえたキューバの実力は圧倒的だった。しかし2000年のシドニー大会からプロ選手の出場が認められ、優位がゆらいでいた。

キューバの主力は、ソフトバンクのリバン・モイネロ、アルフレド・デスパイネ、中日のライデル・マルティネスとNPBの現役選手だ。彼らはNPB在籍中もキューバ代表としてもプレーすることを条件に日本に派遣されている。NPBでは、キューバ出身選手が他にもいるが、中日のダヤン・ビシエドなどアメリカに亡命したのちに日本に来た選手はキューバ代表に招聘されることはない。

世界最終予選で最後の1チームが決まる

アメリカ大陸予選は、地元アメリカが1位になり五輪出場が決定。2位はドミニカ共和国、3位はベネズエラとなった。

当初の予定では、この両チームはオーストラリア、オランダ、台湾、中国とともに6月16~20日に台湾・台中で行われる世界最終予選に進むことになっていた。

しかし台湾は、新型コロナの感染再拡大によって、予選開催を返上。

急遽、メキシコのプエブラで6月22日から26日に最終予選が行われることになった。また台湾は国内の感染状況に鑑みて、代表チームをメキシコに送らないことを決めた。さらに中国、オーストラリアも世界最終予選出場を辞退した。

その結果、残る最後の出場枠は、ドミニカ共和国、ベネズエラ、オランダの3国で争われることになった。

野球五輪競技は、6チームで争われる。現時点では主催国の日本、ヨーロッパ・アフリカ予選の勝者イスラエル、一昨年11月に行われた「プレミア12」で日本に次ぐ2位になった韓国、同大会でアメリカ勢最上位になったメキシコ、そしてアメリカ大陸予選で1位のアメリカが出場を決め、前述のメキシコの世界最終予選で残る1チームが決まる。

新型コロナ禍で野球五輪予選は大揺れに揺れているのだ。

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