65歳定年後に元気な人とガックリくる人の大差 本当に必要な「人間関係」とコミュニケーション

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孤独に陥らないことが大切です(写真:Fast&Slow /PIXTA)
「第2の人生」を愉しく過ごすためには、定年前からの準備が大切と言われる。「65歳定年後も輝く人とダメになる人の致命的差」(2021年4月2日配信)に続いて、定年後の3大リスク「お金・健康・生きがい」の疑問や不安の正体を可視化し、解決策をまとめた『定年の教科書』より一部を抜粋、再構成してお届けする。

「よい人間関係」が老後にとっていかに大事か

定年後は「よい人間関係」をつくることが、幸せで健康な老後を過ごすための秘訣です。

ここで、世界でもっとも長期間にわたっておこなわれている研究──ハーバード大学の「成人発達研究」を紹介します。そのなかに幸せな老後を過ごすヒントがあるのです。

「成人発達研究」は1938年に始まり、現在まで続いています。資金が続かなかったり、担当者がいなくなったりして、10年ぐらいで終わる研究が多いなか、80年以上も継続とはじつに異例の長さです(2015年の時点)。予算も毎年1億円を得ており、現在のロバート・ウォールディンガーは4代目の所長です。

研究では、男性を2つのグループに分けました。1つがハーバード大学の2年生、もう1つはボストンの極貧生活をしている子どもたちです。10代の彼らにインタビューをし、健康診断を受けさせて、その後を追跡調査しました。

スタート時点で724人だった被験者は、2015年には90歳になり、当時約60人が健在でした。調査はいまも続いています。さらに、彼らの2000人以上の子どもたちも被験者として追加されています。

ロバート・ウオールディンガーは、「健康で幸福な人生を送るのに必要なのは、〈富〉や〈名声〉〈がむしゃらに働く〉ことではなく、〈よい人間関係〉である。それこそがもっとも大きな幸せの要因だ」と結論づけています。

さらに、周囲とのつながりは非常に重要で、「孤独」は命とりになると述べています。

家族や友達とうまくコミュニケーションを取れている人ほど、健康で幸せになります。

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