では、なぜ「話が伝わっていない」と感じるのか。主な理由は3つあります。
情報を無理に継ぎ足した「だらだら話」はNG
1つめは、「『わかってないかも……』で伝わらない」というものです。
目の前にいるときは、表情などを読み取りながら話もできましたが、物理的に距離が離れ、スクリーン越しのコミュニケーションでは、そういうわけにはいきません。
「相手に伝わっているだろうか」とつねに疑問を抱きながら、話しつづけるわけですが、反応も見えず無表情だったりすると、「まだ、伝わってないかも……」と思い込んで、ついつい情報を継ぎ足しがちになります。
もしくは、最初のうちは相手も「うんうん」と聞いていてくれたのに、途中で飽きてきたような表情を見て、「あれ、もっとわかってもらわなくちゃ……」と、さらに話しつづけてしまう泥沼状態に入り込むケースも見受けられます。
2つめは「『わかっているはず!』で伝わらない」というもの。
「相手の知識レベルを見誤る」これも非常によくある間違いです。ずっと同じ専門知識を持ち、同じ言葉を使う社内の人と会話を続けているために、内容が「暗黙知」となってしまっている。そこに見られるのが「裸の王様」現象です。
私はリーダーシップ研修の締めくくりのプレゼン発表の場によく立ち会うのですが、外部の私が聞いてもさっぱりわからないことがしばしば。平気で専門用語を使い、それをまったく説明することはなく、「知っているもの」と「仮定」して話が進められます。
「同じ社内の人間には伝わっているのか」と思いきや、実はその研修に参加している他部署の人間もまったくわかっていなかったりします。でも、理解できないことをほかの人に知られたくなくて、「わかったふり」をしてしまう。
つまり、「裸の王様」のように、誰もが「実は見えていないのに、見えているフリをしている」状態になっているということです。これでは、社内のコミュニケーションが円滑にいくはずがありません。
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