悩みが急増「話が伝わらない!」、超簡単3解決法 日本人の「話し方スキル」が急降下、貴方はOK?

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【秘技2/「20+20+20」】「20秒×3=1分」に言いたいことを収める

2つめの秘技「20秒×3=1分」に言いたいことを収めることです。

日本語では、「1分に話す量は300字ぐらいが適正」と言われます。これがどれぐらいかと言うと、本記事の冒頭のリード部分が約350文字ですから、それよりちょっとだけ少ないぐらいです。かなり多いですよね。

『1分で話せ』という本が話題になりましたが、「大体1分ぐらいに言いたいことは収めて話す」ことを心がけましょう。

その場合、「最初の20秒が『青信号』、次の20秒が『黄信号』、20秒が『赤信号』と、イメージしながら話すべき」という説をアメリカの精神科医がハーバードビジネスレビューに紹介していました。

「時間を意識する」ことで、だらだらと話しつづけない癖をつけるのは大切です。

【秘技3/「1」】相手の知識・理解レベルは「1」と仮定する

3つめの秘技は「相手の知識・理解レベルは『1』と仮定する」こと。

「相手が『10』知っている、『10』わかってくれる」と思うのではなく、「相手は『1』しか知らないし、『1』しか理解してくれない」と仮定してコミュニケーションをしましょう。

「こんな基礎的なこと話したら申し訳ない」なんて思うかもしれませんが、実は相手は驚くほど、あなたのことやあなたの言いたいことを知りません

映画を途中から見せるような話し方では、結局最後まで理解してもらえないでしょう。「ご存じかもしれませんが」などと前置きしても構いません。とにかく基礎の基礎から話をしてみましょう

聞く側からすると、案外、知っているようで知らなかった、ということもありますし、もう一度おさらいする機会にもなります。そこでも手短に伝えることが大切です。

「話し方のコツ」「伝え方の方程式」を知らないだけ

冒頭で述べたように、長引くコロナ禍によって、「話し方」の悩みが急増しています。人と物理的に会う機会が減り、「職場や友人とのコミュニケーションがうまくいっていない」「孤独感や疎外感を覚える」など、この新型コロナ感染防止のためのソーシャルディンスタンスが、人々の「コミュニケーション」の量や質を大きく低下させています

ただ、本記事で解説したように、話し方には「伝わる方程式」があります。話が苦手な人は「できない」のではありません「やり方」を知らなかっただけです

たったひとつの「公式」を覚えるだけで、あっという間に自信がつくものなのです。ぜひ、「伝わる方程式」を身につけて、ラクして、楽しく伝えられる「話し方の達人」になってください。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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