「新入社員が使えない」の愚痴が今も昔も続く訳

世代論はどんな指摘もだれかに当てはまる

「ゆとり世代」という言葉は、以前はまったく違う意味で用いられていました(写真:zon/PIXTA)
明治時代に誕生した給与生活者という階層は、大正時代の中頃に「サラリーマン」なる珍奇な名を得て、おなじみの存在となりました。それからおよそ100年。会社文化を探ると、日本人の生態・企業観が見えてきます。大衆文化を調べ上げてきた自称イタリア生まれの日本文化史研究家、パオロ・マッツァリーノ氏の著書『サラリーマン生態100年史』を一部抜粋・再編集し、今回は新入社員の変遷について解説します。
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「ゆとり世代」は非常にざっくりした分類

「うちの部の新人、マジで使えねえんだよ」

「オレんとこもだよ。上司にタメ口きいたりすんだぜ」

「競争心に欠けるっていうか、努力とガマンができねえんだな」

「おとなしいと思ってミスを指摘したら、逆ギレ」

「ちょっとしかるとすぐ辞めるしな」

「まったく、ゆとり世代ってヤツは」

「最近は、もっとすごいさとり世代ってのが出てきたらしいぞ」

「上も下もバカばっかりだよなー」

今宵もサラリーマン諸氏は、こんなトークを繰り広げているのでしょう。ゆとり世代とは、いわゆるゆとり教育を受けて育った世代という非常にざっくりした分類でしかありません。学術的な用語ではありません。いま20代の人はほぼ当てはまります。

でも、みなさんお忘れになっているようですね。現在20代の若者たちがゆとり世代と呼ばれるようになったのは、彼らが大学生になった2005年くらいからのことでした。実はそれ以前にも「ゆとり世代」という言葉は存在し、まったく別の意味で用いられていたんです。

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