「自ら進んで勉強する子」に変貌する魔法の方法 「勉強しなさい」連呼する親は方法論を知らない

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では、どうしたらいいでしょうか。筆者は、「声がけ」ではなく「仕組みを作る」ことをお勧めしています。つまり、進んで学習するための「仕組み」です。

仕組みを機能させる2つの要素

仕組みが機能するためには、次の2つのいずれかが必要であると考えています。

1) 習慣化
2) 好奇心

1つずつ説明していきます。

1)習慣化

習慣化については2つの代表的なアプローチがあります。

1つは、「すでに習慣化されていることに、新しい習慣をくっつけてしまう方法」です。例えば、ご飯を食べる、お風呂に入る、歯をみがくといった日常のすでに習慣化された習慣に、新しい習慣をくっつけます。歯をみがく前にプリント1枚とか、朝起きたら、朝食の前にプリント1枚やってしまうなどです。

これは多くの家庭で取り入れられている方法で、比較的容易に習慣化されますが、子どもが小さいとき(未就学児段階)から行うほうが効果が出やすい方法です。小さいときからこのスタイルが当たり前であれば、苦になりにくく、身に付きやすいでしょう。

もう1つは「『見える化』させてしまう方法」です。

やるべきことを見える化させることによって、自ら進んで行動するようになることは、筆者が提唱してきた「子ども手帳」を実践された方から多数報告があります。

「子ども手帳」とは、やるべきことを手帳に書き、終わったら赤で消し込みし、ポイント化するという単純な仕組みです。いつ、何をやるのかが明確になり、しかも消されていないことは、自ら消したいという気持ちが出てきて、自ら行動するようになる仕掛けです。さらに、ゲームのようにポイント化して数値化しているため、自分の成長が「見える化」されていきます。

このような方法で習慣化されると、やっている内容がさほど楽しくなくても継続率が上がります。例えば、習慣化されている歯磨きが楽しいと思う子はいないでしょう。しかし、毎日の習慣になっているため、継続できるのです。そして、勉強の場合、継続すると力がついてくるため、結果が出てきて、それがさらに「やる気」につながることもあります。

習慣化のコツは例外の日を作らないということです。つまり、勉強であれば、土曜も日曜も5分でもいいから「やった」という実績を残しておきます。インターバルをおくと、人は再開するのに大きなエネルギーが必要になり、なかなか再開できなくなる場合が少なくないからです。

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