「自ら進んで勉強する子」に変貌する魔法の方法 「勉強しなさい」連呼する親は方法論を知らない

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2)好奇心

好奇心があれば、子どもは自主的に行動します。ということは、勉強そのものを通じて好奇心を引き出す仕組みを作ってしまえばいいわけです。そのためには、勉強内容を子どもの関心と「リンク」させるという方法を作ります。

そのリンクさせる方法はたくさんありますが、2つ紹介します。

勉強の「内容」「形式」どちらかにリンクを

1つ目は、勉強内容をリンクさせる方法です。

例えば、「鬼滅の刃」にハマっている子であるならば、算数の速さの文章題で、太郎君と花子さんが登場したら、炭治郎と禰豆子と置き換えてしまいます。鉄道好きの子であれば、東海道線と新幹線に置き換えてしまうなどです。ありえないような場面が作られるため、笑いとともに、子どもたちの興味関心が喚起されます。

筆者が子どもたちを指導していたとき、このようにして子どもが興味を持てそうな用語に置き換えて説明していました。すると子どもたちは途端に目を輝かせるため、身近なイメージで捉えることは大切であるとしみじみ感じたものです。

もう1つは勉強の形式をリンクさせる方法です。

子どもはゲーム、クイズ、なぞなぞが好きで、前のめりになることが知られています。ということは、勉強も、ゲーム、クイズ、なぞなぞの一種と思えてしまえば、前のめりになる可能性が高いということです。

例えば、国語は親が読み聞かせをして、問題にさしかかったら、設問をクイズ風に読んであげます。さらにクイズでは制限時間があるので、20秒とか30秒で設定し、答えられなかったら「第1ヒント」を、それでも答えられなかったら「第2ヒント」を言ってあげます。クイズはヒントがありますからね。

また、計算問題であれば、5分でどこまでできるかストップウォッチで計測して、正答率が何%であったかを記録していきます。そして新記録更新!というようにしていけばいいでしょう。

これまで、これらの方法を数多く実践してきましたが、効果はかなりありました。親が勉強に関わる場合、はじめの段階はサポートする形で進め、徐々に子どもが自分でできるようにしてあげるといいでしょう。いつまでも親が勉強に関わるというのは現実的ではありませんから。

以上、子どもが自ら進んで学習する仕掛けについて4つお伝えしました。いずれか1つでもよいと思いますので、親が楽しんでできることから試されてみてはいかがでしょうか。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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