安倍首相が再三公言してきた「女性活用」が、ついに本格的に動き始めたようです。
政府は女性活用が進んでいる企業を、公共調達で優遇する検討に入ったとのこと。価格や技術を評価して選ぶ公共工事の入札で、職場における「女性活用」を評価ポイントにするというのです。
対象の公共調達は数兆円規模。それだけ、政府が果敢に女性活用に取り組む姿勢の表れとも言えます。が、一方で、そこまでしないと進まないくらいに困難な課題と、政府は感じているのでしょう。ちなみに女性活用で重要なポイントとされているのは「管理職への登用」。政府見解によると
《指導的地位における女性比率を、2020年までに少なくとも30%に引き上げる》
を目標に掲げています。こうした目標が掲げられた背景は、男女平等度合を測る「ジェンダーギャップ指数」で日本は世界で105位と大きく後退していることもひとつの要因。この指数で日本が大きくポイントを下げているのがEconomic Participation and Opportunityと呼ばれる、給与や専門職での参加機会の男女格差です。
教育水準は男女とも高いにもかかわらず、就職後の給与や管理職登用で格差が大きい。そのため、先進国で最下位となっています。しかも、毎年のように順位が落ちている状態。これでは、政府の危機意識が高まるのも当然です。ちなみに日本企業で管理職に占める女性の比率は2012年時点で6.9%。(従業員100人以上)。はたして、女性の管理職比率30%は実現可能な目標なのでしょうか?
女性管理職の強みと弱み
とはいえ、政府の政策などお構いなしで、女性活用をどんどん進めている職場は山ほどあります。当方が勤務していたリクルート社(2000年前後のこと)は経営トップが女性であった時代もあり、管理職クラスの2割以上が女性でした。ちなみにリクルート社は「企業の女性活用度調査」(日経WOMAN調査、2014年度)で管理職への登用度合で7位。現在も女性活用は継続しているのでしょう。そんなリクルート社より上位にランクした
1位 ニチイ学館
2位 日本IBM
2位 JTB
はもとより、女性活用総合ランクで高く評価されたそのほかの生命保険・化粧品・流通業界では、男性を圧倒する採用数がありますし、ワークライフバランスの実践など、そうとうな取り組みをしています。各社が追随して「自然と」女性活用が推進される環境が整いつつあるようにも思えます。
ところが、会社サイドによる環境整備以上に、大きな課題があるようです。それは女性自身によるマネジメントに対する苦手意識。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら