2020年までに「女性管理職3割」は実現するか
バリバリ、ガツガツ、ギスギス。今日も「男前」なキャリア女性から濁音系の音が聞こえてくる……。
「女性の活用」を成長戦略の柱のひとつに掲げる安倍晋三首相。政府は「2020年までにあらゆる分野で管理職に占める女性の割合を3割にする」との目標を設定しているが、それははたして可能か。
あなたの職場で、仕事がデキるキャリア女性をちょっと思い浮かべてほしい。
女性は、その人にあこがれますか?
男性は、その人と一緒に仕事をしたいですか?
答えが「イエス」なら「管理職の女性比率3割」も実現可能。「ノー」なら絵空事に終わるだろう。女性にも男性にも支持されないようなキャリア女性が増えていくわけがない。
そして、これまでに日本の組織で男並みに働き、道なき道を進み、けもの道を踏み固めていった「男前」なキャリア女性には、「イエス」と言いがたい雰囲気を漂わせているケースが多々見られる。まず見た目や振る舞いが、女を捨てている。いくら仕事ができても、いや、仕事ができるから、かえって欠落した女の部分が目立つ。
「男前」なキャリア女性に“3本の矢”
かくして「男前」なキャリア女性には、周囲から“3本の矢”が放たれる。1本目は女性たちから「大変そう。あんなふうにできないし、なりたくない」。2本目は男性たちから「あれ、ほとんど男だろ。女に見えない」。3本目は当の本人から「ああ、しんどい。これって本当に私が望んでいること?」。
表面的には同じ職場で働いていても、「男前」なキャリア女性の内実は孤軍奮闘。さらに自分の中で、時折、もたげてくる疑問を押さえ込んで頑張り続けるうちに、きしみが生じて、中長期的にはポッキリ折れてしまう。これは本人のためにも、組織のためにも大きな損失だ。仕事がデキるキャリア女性の後に、若い女性たちが続かなければ、アベノミクスは成功しない!
ポッキリ折れないためには強さではなく、しなやかさとやわらかさが必要。つまり、女を捨ててはいけない。女性らしさに女はあこがれ、男は一緒に仕事をしたいと思うのだ。問題は、男性と同じように働きながら、どうやって女性らしさを保持するかである。
男も女も支持する「女前」の条件とは
この特集では、男も女も支持して、本人も充足しているキャリア女性を「女前(オンナマエ)」と定義する。そんな女性を5日連続で紹介しながら、「女前」の具体的な条件を考察していく。
まず1日目は、女性がこうなりたいと思う女性像の見た目を考える。女性らしさは見た目の比重が大きく、また、異性より同性の目のほうが厳しいからだ。
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