ユニクロ、ジーユーがコロナ禍でも挑む変革 原宿にオープンする旗艦店で新たな一手

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6月5日にオープンする「ユニクロ 原宿店」 の一角には服ではなく、大量のディスプレイが陳列される(写真 ファーストリテイリング)

5月のゴールデンウイーク明け、東京都内のユニクロの路面店の前には長蛇の列があった。ゴム手袋を付けたスタッフが入店客一人ひとりの検温を行い、手指の消毒を依頼していた。

緊急事態宣言中だったにもかかわらず、新型コロナウイルス対策を徹底して、一部営業再開に踏み切ったユニクロ。その姿勢は、「コロナに負けていられない」という意思の表れのようにも映った。

新型コロナの感染拡大は、国内首位の衣料品ブランドであるユニクロにも容赦なく襲いかかった。

運営するファーストリテイリングによると、4月の国内ユニクロ事業の直営既存店売上高(ネット通販含む)は前年同月比43.5%と激減。既存店売上高の開示を始めた1996年9月以降、もっとも大きな落ち幅となった。都市部を中心に最大約4割の店舗が臨時休業したことに加え、外出自粛で衣服の需要自体が減少したことも響いた。

17期ぶりの減収見通し

現在は緊急事態宣言の解除に伴い、大部分の店舗が営業再開にこぎ着けた。ただ、ユニクロ関係者は「外出を控える状況が続く限り、店が開いても売り上げは一気には戻らない。在庫の調整も必要で、しばらく厳しい業績が続くだろう」と話す。

もともとユニクロは2019年9月以降、記録的な暖冬でヒートテックなどの防寒衣料が売れず、ほとんどの月で既存店売上高の前年割れが続いていた。4月の決算会見では、財務担当の岡﨑健取締役が「(足元の)売り上げの急低下で春夏商品の在庫が過剰になるため、来年度にかけて正常化させていく」と説明。在庫の適正化が最優先課題としてのしかかる。

新型コロナの影響を踏まえ、ファストリは今2020年8月期の業績予想を4月9日の上期決算発表と同時に下方修正。売上高2兆900億円(前期比8.8%減)、営業利益1450億円(同43.7%減)と、大幅な減収減益になる見通しだ。減収は2003年8月期以来、17期ぶりとなる。

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