ユニクロ、ジーユーがコロナ禍でも挑む変革 原宿にオープンする旗艦店で新たな一手

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ユニクロと同様、ファストリの成長を占う上でカギを握るのが、トレンドファッションと低価格を訴求するジーユーだ。店舗数は国内外で約440店とユニクロの約5分の1にとどまり、ユニクロと比べて成長余地は大きい。

ジーユーの2019年8月期決算は売上高2387億円(前期比12.7%増)、営業利益281億円(同139.2%増)と、いずれも過去最高を更新した。今2020年8月期上期(9月~2月期)も、売上高1322億円(前年同期比12.9%増)、営業利益158億円(同12%増)と、暖冬影響をかわしながら高水準を維持した。

好調の背景にあるのが、商品施策の抜本的な見直しだ。2016年秋のファストリの決算会見で、ジーユーの柚木治社長は「10年後に1兆円企業になる」と大々的に宣言した。ところが2017~18年度は既存店売上高が前年割れとなり、2期連続の営業減益と出だしからつまずいた。

ヒットの好循環を取り戻す

ユニクロとの差別化も意識してファッション性をより追求し、商品アイテム数を広げすぎた結果、明確なヒット商品が生まれず、生産や在庫管理の面での効率性も大幅に低下したことが要因だった。

業績不振に危機感を高めたジーユーは、2018年の秋冬からアイテム数を大幅に絞り込んだ。一方で、幅広い顧客層の支持を狙ったトレンド商品の投入に集中し、消費者目線を意識した商品開発とマーケティングとの連動も強化する体制を整えた。すると、2019年度から徐々にヒット商品が続く好循環が生まれるようになった。

その代表例が、今年の春に全店舗で販売を始めたメンズの「シェフパンツ」だ。シェフが仕事着で履くような幅広でゆったりとしたシルエットが特徴で、最近は大手セレクトショップなどが展開を始めている。

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