「横浜カジノ」セガサミー社長が覚悟する茨道 USJ復活した森岡氏を招へい、下馬評覆せるか
2018年7月に特定複合観光施設区域整備法が成立し、国内で3カ所を上限に整備が認められたカジノを含む統合型リゾート(IR)。カジノ収益の15%が自治体に納付されることもあり、複数の自治体が誘致を表明している。
2019年8月に名乗りを上げた横浜市も、IRの実現に向けて着々と準備を進めている。2019年末にかけて横浜市はIRのコンセプト提案を募集し、応募した7社と2020年3月までに対話を重ねている最中で、2021年には事業者を選定する見込みだ。
今年の1月末には横浜で初の「統合型リゾート産業展」が開催され、IR企業による「プレゼンテーション合戦」も繰り広げられた。そこでひと際注目を浴びたのが、韓国で合弁会社がIRを運営しているパチンコ機・ゲーム大手のセガサミーホールディングスだ。
アメリカ・ラスベガスやマカオ、シンガポールなどでIR運営の実績を持つ外資企業が本命と目される中、横浜IRの運営権を獲得するうえでのカギは何か。里見治紀社長に聞いた。
一番なめられていて、期待値も低かった
――1月に横浜で開催された「統合型リゾート産業展」におけるプレゼンテーションを拝見し、周到に準備をされてきたという印象を受けました。
プレゼンテーションを予定していたIR運営企業6社のうち、すでにほかの外資5社はすばらしい海外IRの運営実績があるため、どこが選ばれても同様のクオリティでIRを実現できる。対してうちは「セガサミーだけで本当にできるのかよ」と疑いの目を向けられ、陰口もたたかれていた。唯一の日本企業でもあり、一番なめられていて、期待値も低かったと思う。
外資5社はまず実績を挙げて、だから横浜でもよりよいIRを実現できるという論法を取った。だが、うちは自慢できる話が少ないので、冒頭に横浜の課題を挙げた。その解決にIRが貢献し、IRにセガサミーHDはどう寄与できるのかという論法で攻めた。IR施設の完成予想パースを示し、具体的な提携内容まで発表できたのはセガサミーHDだけで「こういうことをやれる会社なんだ」と周囲の見方はかなり変わったと思う。
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