「横浜カジノ」セガサミー社長が覚悟する茨道 USJ復活した森岡氏を招へい、下馬評覆せるか

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――1月の「統合型リゾート産業展」では具体的な取り組みなど踏み込んだ戦略を示されましたが、昨年までは情報発信に消極的でした。

施設の総合デザインでアップルの新本社を手がけたフォスター+パートナーズと、本格的な料亭旅館の企画・開発では日本料理の京都吉兆との提携を発表した。また、IR事業の成功確率を上げるべく、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建したマーケターの森岡毅氏が率いるマーケティングノウハウ提供企業「刀」と約2年にわたって事業プラン設計で協業していることも公表した。

ただ、早期の発信は競合に真似をされてしまうリスクがあった。実際、これらの提携以外にも公表してない取り組みがある。

――競合する事業者に対して、優位性をどこに見出していますか。

一番は日本企業であることだ。われわれは本業が日本にあるため、世間の逆風から逃げないし、逃げられない。国民からこれだけ反対されているビジネスをわざわざやろうとしている以上は、逃げないという覚悟がなければできない。

うちは本業自体がそういう一面を持っている。パチンコ事業はギャンブルのめり込みの問題を抱え、アンチパチンコの人々も多い。ゲーム事業もゲーム依存症が問題になっている。多くの問題と日々向き合っているため、別にそこでビビらない。反対派の方々と向き合う覚悟はできている。

社長の妻まですべての銀行出入りを提出

――大阪ではアメリカのIR運営大手であるMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが合弁を組む見込みです。セガサミーが同様にIR事業でパートナーを募るとすれば、それ相応の覚悟が求められると。

これからゼネコンなど日本の大手企業や横浜の地元企業と組んで行くと思うが、最後の最後で出資をためらわれるリスクがないように、多くの反対派がいるビジネスに関わる覚悟のある会社かどうか見極めていく。

気になるのが、パートナー候補である日本企業の「身体検査」に対する意識の甘さだ。セガサミーHDは2017年にラスベガスでスロットマシンの販売・製造ライセンスを取得したが、現地のカジノ管理委員会によって企業として清廉かどうか、本当にすべての取引先が調査される。

われわれは上場企業のため反社会勢力との関係などは徹底的に排除しているが、私の妻を含めて過去5年間にわたるすべての銀行出入りや犯罪履歴を現地のカジノ管理委員会に提出した。日本の審査は世界最高水準の厳しさになる見込みで、それを理解している企業はまだ少ない。

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