「横浜カジノ」セガサミー社長が覚悟する茨道

USJ復活した森岡氏を招へい、下馬評覆せるか

――一般人にとって「IR」という呼称がこのビジネスをわかりにくくし、かえって不安を助長しているように映ります。IRの本質や大義はどこにあるのでしょうか。

IRがカジノ以外の「儲からない部分」を単体で運営したら、潰れてしまうプロジェクトなのは間違いない。パラダイスシティはカジノがあるからこそ、巨大なコンベンションスペースを維持できている。カジノの儲けによって、ラグジュアリーな経験のハードルを下げられる点もメリットだ。例えば、IRのホテルでは五つ星のクオリティーを誇る客室にリーズナブルな料金で泊まることができる。

横浜市民はそのカジノに対して、犯罪率の上昇や青少年への影響、ギャンブル依存症の増加などの不安を抱いていると思うが、実はシンガポールではIRの開業に向けてそれぞれのルールを整備したことで、むしろポジティブな効果をもたらしている。

大手ITベンダーと協業する準備もしている

―ーセガサミーHDとしても、ギャンブル依存症などカジノのリスク低減へ具体的な施策を用意しているのでしょうか。

ギャンブル依存症対策は京都大学と研究をしている。既存の依存症対策はリカバリーの思想で、依存症になってしまった人をサポートするものだが、うちがやろうと思っているのは予防だ。まだ詳細は明かせないが、ビッグデータ解析による傾向値から「この人の遊び方は傾向として危ないな」と予見できるシステムを開発していきたい。

横浜市は目下、IRの市民説明会を全18区で実施中。会場前にはカジノ反対ののぼりが立つ(記者撮影)

カジノではマネーロンダリングのリスクも指摘されているが、われわれはカジノにおけるすべてのデータをトラックできるシステムの制度設計も進めている。開発や組み込みの段階では大手ITベンダーと協業する準備もしていて、これが実現すれば海外のカジノに比べてマネーロンダリングのリスクを抑制することができる。

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