そこで、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を迎え入れました。ソフトウェアベンダー、人事とはまったく畑違いの業種で経験を積んだシニアマネジャーなどです。約60人のメンバーのうち、コンサルタントは1割にも満たない陣容になりました。
結果的にはこの戦略が功を奏しました。これまでの金太郎飴的な繰り返しの戦略立案でなく、本当の意味で斬新なアイデアや、顧客目線に立った戦略が、活発な議論から次々と生まれたのです。自由闊達に意見が言えるチーム形成のおかげだと思います。
クライアントからは「大手のコンサルティングファームと付き合うよりも大きな価値が得られた」との評価をもらいました。強力なチームとは、多様な強みを持った人の集まりなのだと、身をもって実感させてくれたチームでした。
従業員の「体験」を向上する
多様性のあるチームがさらに強力になるためには、それぞれが強みを発揮できるような業務を任せ、さらに個々の強みに合わせた育成計画を作ることが重要です。人は、弱点を補強するよりも、強みを伸ばすことに時間やコストをかけたほうが、成長の度合いが大きいとも言われています。
成長できているという実感が大きくなれば、仕事への熱意やエンゲージメントも高まります。チームメンバーには、定期的にそれぞれの興味や経験について自己申告してもらいましょう。変化はあってしかるべきことです。そして、それぞれの興味や強みを知ったら、その分野をより伸ばすような育成環境やチャレンジできる環境を作っていきましょう。
HR業界では昨今、従業員の体験をよりよいものにしようという取り組みに注目が集まっています。人事や経営陣が社員を「管理」するのではなく、働くことを通して社員の体験を充実させようという考え方です。
自分の得意な分野や強みを発揮できる業務に従事させる、その才能を伸ばせるチャレンジを与える、というのはそうした体験を充実させる施策の1つでしょう。こうした社員目線のアプローチは、今の社会によりあったものといえ、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
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