激変! 今どきのビジネスホテル事情

龍名館の高級外資に負けない「こだわり感」

――そういえば各階のエレベーターホール脇にメモを入れる目安箱みたいな箱がありました。お客さんが気がついたことを入れるだけでなく、もっぱら従業員が使っているのですね。

そうです。そして、一度気づいたことでも、もう一度同じことに気づけば、それについて何度でもメモを出すように指示を出しています。

――同じ気づきを、何度も報告するのですか。

水野豊総支配人

なぜかと言うと、どうしても定性的になりがちなところを、定量的に分析するためなのです。何度も何度もその状況を発見するということは、より多くのお客様が、そこで何かしら感じていらっしゃる兆候ですから。そういうことを見逃さないよう、何度も何度も投票するように言っています。

スタッフのモチベーションを上げるために、50枚投票したら1000円のQUOカードを提供しています。牛角のレインズが「お客様の声をコストをかけて買う」行動をしていたのに感銘を受けまして、お客様の情報という財産をスタッフから買いますよ、と。各スタッフにはそう伝えてあります。

情報があるだけでは財産にならないので、内部品質向上委員会に必ずかけていきます。

――データを統計処理して分析したりもするのですか。

内部に特殊なアナリストがいるわけではないので、統計分析はしていません。ホテルという直感的な現場にはそうした取り組みはあまり向かないと思いますし、スタッフにもなじみがありませんので。お客様の声が直接的に各スタッフに響くような、シンプルな仕組みを考えています。

お客は「豪華」だけを求めていない

――ところで、2009年にリニューアルをされましたが、なぜ旧館を壊しての完全リニューアルになったのですか。

1階エレベーターホールには旧館である「旅館呉服橋龍名館」の看板が掲げてある

ほかの100年企業もおそらくそうであるように、龍名館の歴史は変化の歴史でした。実際、本業の旅館業で龍名館が主に食べているかといえばそんなことはなくて、ほぼ半分は不動産ビジネスによって賄われています。

オーナーの強い考え方として、旅館業を続けていくために変化をする、本業を支援するためにサイドビジネスをやっているという考え方なんですね。

実際、駅前の立地であっても、今のマーケットに(もともとあったような)畳の部屋が合っているかというと、そのニーズは非常にニッチになってしまっているのです。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。