なぜ最後にはみな、帝国ホテルを選ぶのか 卵料理からシャワーの水圧まで、圧巻のこだわり

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帝国ホテルと言えばこの風景。本館1階玄関を入ると、中2階への階段が目に入る
 海外来賓を迎える民間の迎賓館として1890年に開業、日本の近代ホテルの先駆け、かつ代表格として圧倒的な地位を誇る帝国ホテル。その行き届いたサービスには国内外から高い評価があり、ブランド力も抜群だ。
 日比谷駅、有楽町駅から至近。東京駅も目と鼻の先という好立地もあり、外国人宿泊客に加え、東京観光に訪れる国内観光客やビジネス客にも根強い人気を誇る。
 ホテル業界で「御三家」と並び称されるホテルオークラ東京、ホテルニューオータニ東京の2社より70年以上も先輩で、後進のホテルたちはみな「帝国ホテルのようなおもてなしを」と、そのサービス水準を追いかけた。接客係から配車係、靴磨きにいたるまで、歴代の名物従業員も枚挙にいとまがないほど。そうした特定の従業員に会うことが目当てで帝国に泊まる客も数え切れない。
 老舗の伝統にしがみつくことなく、ホテルウエディング、バイキング料理(ビュッフェ)など、帝国が発祥のサービスや商品も多く、進取の気性も併せ持つ。
 常連客は2代目、3代目と代を重ね、厳しい目線を注ぐ。その要求水準に応え続ける「秘伝のレシピ」ともいえる帝国DNAとは何なのか。社長を兼務する定保英弥総支配人に聞いた。

近隣のホテルからも、朝食を食べにくる

――帝国ホテルには長年のファンの方が大勢いらっしゃいますが、朝起きて、朝食を食べるのが楽しみだという方が多いそうですね。

当ホテルはもともとビジネス目的でお泊りの方が多いですが、このところ観光目的というか、あるいははやりでしょうか、ご自身へのご褒美として1泊ゆっくりされる方が増えています。女性の一人旅の方もけっこういらっしゃって、そういう方々から、「ゆっくり、久しぶりにレストランで朝食をいただいた」というコメントもいただきます。

メインダイニングは、月曜日から金曜日まではビジネスで、ブレックファーストミーティングなどの集まりが多いです。8時半とか、少し遅い時間になりますと、プライベートでお泊りになっている方々がゆっくり召し上がっていらっしゃいます。

ホテルの自慢の料理は、非常にシンプルですけれども卵料理のオムレツとか、パンケーキとか、フレンチトースト。そういう長年ご愛顧いただいているメニューを本当にゆっくり、閉店間際まで時間をかけて召し上がっていただける。ちょっと非日常的な感覚でゆっくり召し上がっていただくことが、ひとつのおススメと思っています。

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