東京だけでも、星の数ほどあるホテル。どれも大差ないと思ったら、大間違い。一歩足を踏み入れれば、そのホテルにしかない、魅惑のストーリーが展開している。
レジャーとしてのホテルを知れば、より日常が楽しくなるはず――。この連載では、注目のホテルの総支配人を訪ね歩き、知られざるホテルの物語を発掘していく。
“人生のターミナル”、東京駅の中にあるホテルとして、独特の存在感を放つ東京ステーションホテル。お客たちが「人生でいつかは泊まりたい」と熱い思いを抱く理由と背景について、前回の記事で取り上げた。
東京ステーションホテルの“奇跡”はそれだけではない。今回の記事では、人気化する型破りの婚礼、そしてステーションホテルならではの「おもてなし」の考え方などについて、引き続き藤崎斉総支配人に聞く。
帝国ホテルより高い婚礼に、客が殺到するワケ
――以前、東京駅の前を通りかかったときに、ホテルの外の歩道に花嫁さんが出てくるのが見えました。導線上の理由ですか?
いえ、写真室がないからです。記念撮影は、廊下で段を組んでやっています。駅の前にいたのも記念撮影で、リクエストに応じてやっています。
――東京ステーションホテルには、大半のホテルにあるチャペルがありませんが、それでも人気だと聞きます。
確かに、チャペルや神殿はありません。それだけでなく、着付け室も美容室もありません。
どのホテルでも、婚礼ならチャペルにいちばんおカネをかけていますが、われわれはそれがない。しかも、単価は都内のホテルで上から数えて何番目かに高いです。(最高級とされる)帝国ホテルやパレスホテルと比べても高い。先日、あるお客様の披露宴で、外資系ホテル3社と相見積もりになりましたが、やはり私どもの披露宴が最も高額でした。
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