そのバトンを受けたのがホテルチームなのです。駅舎の床面積の半分はホテルですから、多くの方に来て、見て、感じていただきたい。
JAL再生に学ぶこと
――開業1年での反省点というか、改善点はありますか。
「私たちは、この貴重なかけがえのないホテルで、サービスを提供するのではない。お客様と共感するのが仕事なのです」と、スタッフによく言っています。
共感するためには、切れ味鋭いサービスの優先順位は上がらない。それでも、きちんとすることは心掛けさせます。礼儀やマナーは1年経っても、まだまだ改善の余地があります。
月に1回の講和会で写真を見せました。私の前職(JALホテルズ)のグループ、日本航空のキャビンアテンダントが今、どのようにお辞儀をしているか、というものです。
JALは誇り高き会社でした。私の在職中にグループが倒れるとは思いませんでした。破綻した後は、「失望した」「何様のつもりだ」と言われました。
しかし、今、搭乗の30分前にはキャプテンも含めて、搭乗ゲートの脇でクルー皆が立っているのですね。乗客の搭乗の15分前くらいには先に機内に入りますが、その際にゲートの前で1列に並んで45度のお辞儀をしてから入ります。その写真をホテルのスタッフたちに見せました。
JALがどう再生するか。いったん離れたお客様に戻ってきてもらうのは本当に大変です。乗っていただけることに感謝して、「頑張れ」と言っていただける一人ひとりのお客様に感謝しようと、そこから始めている。
その写真は「本日のご搭乗、本当にありがとうございました。今日もよろしくお願いします」と言っているように見えたのですね。「当ホテルはそれができているか、慣れていないか。お客様がいらっしゃるのが当たり前になって、メディアに取り上げられて、いい気になっていないか」と反省する契機になりました。
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