――それはすごいですね。
私たちのチームが、スペックでなくてストーリーだと言って、(ステーションホテルでやる披露宴の)価値観をきちんと伝えることができるからだと思います。お客様から価格についてのネガティブなコメントはありませんね。
――基本料金はあるのですか?
私たちは、本当のオーダーメードです。結婚されるお2人がどう生きてきて、何を大切にしてきたか、どのような誰のための披露宴にしたいのか、そういったことをお聞きし、そのお客様だけの披露宴を作ります。婚礼スタッフが人生のカウンセラーになります。外部のフローリスト、メーキャップアーチスト、ヘアアーチストで、チームを作ります。
普通はお客様がご自身でドレスショップを選び、その写真データなどを渡されたヘアメイクさんがメイクを考えます。しかし当ホテルでは、お客様が外部のショップでドレスを選ぶときにも、メイクさんをはじめチームのメンバーが同行します。お花屋さんにも一緒に行きます。
――花屋にも一緒に行くのですか!
ヘッドパーツも花も、そこで一緒に決めますから。事業効率から言ったら、非常に悪いですよ。でも本当にステーションホテルのウエディングはどうしたらいいのか、皆で徹底的に作り込みます。
BGMの1曲を選ぶ際も、2人の人生に対してどう選べばいいのか。明るくするのか、思い出の曲でとり行なうのかなど、打ち合わせに5~6時間かかるのは当たり前です。しかも何回も打ち合わせるから、ほかのホテル式場の打ち合わせ回数の1.5倍から2倍かかります。
びっくりするエピソードがあって、あるお客様が挙式の日を延ばしたいと言ってこられたことがあります。ご新郎がひとりで来て「申し訳ないけど披露宴を延期してください」とおっしゃって。
こちらは大慌てで「なぜでしょうか? 粗相や失礼がありましたでしょうか?」と聞いたら、「そうじゃありません。今、ずーっと打ち合わせしてきている時間が幸せで幸せで。だからずーっと続けたいのです」と。
――うーん、すごい話ですね(笑)。1日何組ぐらい挙式できるのですか?
宴会場はひとつだけなので、最大で2組しか予約を取ることができません。「披露宴を、終わりたくない」というコメントは本当に多くいただきます。
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