――レストランは、宿泊客でなくても利用できますよね。
もちろん、朝食だけを召し上がりに来るお客様もいらっしゃいます。週に1~2回、洋食のメインダイニングの「レ セゾン」や、和食の「なだ万」へいらっしゃる、著名人の方もいますね。世界中を飛び回って、近隣のホテルに泊まっていらしても、朝ご飯だけはうちのメインダイニングに来ていただくこともあるんですよ。
ほかにも、企業のトップ同士とか、異業種の若いビジネスマンの方々が1時間くらい「朝活」にも利用されます。朝8時から9時までなどとビシっと時間を決めて、それから一斉にお仕事に行かれるようです。
――それは会議室を使われるのではなくて?
いえいえ。それもレストランの個室ではなくて、オープンスペースに10人ほど集まったりという方が、けっこういらっしゃいますね。企業同士のミーティング、トップとトップとか、2人と2人といった少人数の集まりはお昼か夜であることが多いですが、朝も非常に多い。われわれもそのために、レストランの個室を増やしました。
――ちなみに、朝食はいくらぐらいなのですか。
3000円台から、だいたい5000円近くまでいくと思います。アメリカンブレックファーストで3000円台から4000円もあれば、十分、お召し上がりいただけます。
――ほかのホテルに泊まっているお客が、わざわざ食べにくる理由は何なのでしょうか。
やはり、これだけ大きなホテルですから、オプションが非常に多いのです。全客室931室ありますから、バイキングスタイル(ビュッフェ形式)のレストランもあれば、メインダイニングのように落ち着いてゆっくり食事をする場所もあります。コーヒーハウススタイルの、比較的クイックにアメリカンブレックファーストを食べるところもあり、もちろん和食もある。
帝国ホテルはバイキング発祥の地です。ですから、メニューの種類は多いと思います。また、日比谷公園や皇居を見られる眺望のよさもある。ほかのレストランが空いていても、「待ちます」という日本人のお客さまは多いですね。
リピート客の細かい指摘
――メニューや食事について、こだわっている部分はどのあたりですか?
細かいことですが、卵料理ではオムレツが、たぶんどこよりもきれいなのが自慢です。外国人と一緒に食べると本当にびっくりされますね。ボリューム的には欧米人にはちょっと寂しいかもしれないですが、きれいにやわらかくほどよく、真ん中を切るとトローっと落ちてくるような出来上がりなのです。
ひょっとしたら、近隣のホテルに泊っていらっしゃる方がわざわざウチにいらっしゃる理由のひとつが、これなのかもしれません。
私が昔から存じ上げている国内の会員の方は、朝必ず半分にカットしたグレープフルーツを食べられます。食べやすいように、ナイフを入れるのですが、その入れ方でベテランが切ったのか、若手が切ったのかわかるとおっしゃいます。
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