だから、さまざまな旅のニーズにできるだけ応えるようなホテル、旅の専門店を作って行きたいのです。それは最終的にはエンドユーザーであるお客様が選ぶのですが、ラインナップをなるべく少量ずつ、幅広く提供できる態勢をとることで、より高い支持が得られると考えています。
コンピュータの世界ではパーソナライズと言いますが、そういう宿にしていこうと。決してスーパーラグジュアリーだけがニーズではないと思うのです。
昔の商品選びでは、満足度はコスト(宿泊の価格)に左右されました。でも、旅は感性でするものなので、豪華絢爛な旅だけがいいものではなくて、B級グルメを回るだけの旅だって、お客様は相応に満足されると思うのですね。
それはもう考え方ひとつだと思います。ビジネストリップであってもトレジャートリップ(観光旅行)であっても、充実した旅になる一助になるホテルでありたいと、そういう考え方を持っています。
――個性的なホテルで部屋も多様なので、明確にライバルとなるホテルはない気もします。
エリアで言えば、東京ステーションホテルや丸の内ホテルとか、ホテルメトロポリタン丸の内がライバルになります。テーマ性とかコンセプトでいうと、たとえば庭のホテル東京(水道橋)ですとか、グランベルホテル(新宿、渋谷、赤坂)とか、浅草にある雷門ゲートホテルですね。
割とユニークで、エッジの利いた宿泊主体型のホテルというのが、われわれのライバルになるでしょう。どちらかと言うと中間価格帯で、よりユニークなホテルを選ぼうという方たちの選択肢に、われわれのホテルも入っていくと理解しています。
ビジネスホテルはこの基準で選べ!
――『日経トレンディ』のビジネスホテル部門のトップになったそうですが、要因は何だとお考えですか?
おそらくユニークなところだと思います。同誌では特に「FORUS(フォーラス)」というタイプの部屋が取り上げられました。
先ほどユニクロを例に挙げましたが、私はその会社のあり方でなく、業態のあり方に非常に感銘を受けていまして。ユニクロの中にヒートテックという機能性にエッジを利かせたようなウエアがあるように、われわれの13タイプある客室のひとつのあり方として、突出した機能を持たせた部屋を作ることがFORUSだったのです。それが、次世代型の宿泊主体型のホテルのひとつのあり方を示している、との評価につながったのではないかと思います。
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