どこの職場にもいる、「働かないオジサン」――若手社員の不満が集中する彼らは、なぜ働かなくなってしまったのか? 「どこの職場にもいる」ということは、何か構造的な問題が隠れているのではないか? ベストセラー『人事部は見ている。』の筆者が、日本の職場が抱える問題に鋭く迫る。
なぜ働かないオジサンの給与は高いのか?
若手社員から働かないオジサンの話を聞いていたときに、「自分たちの給与に比べて、報酬をもらいすぎだ」とか、「中高年社員から若手社員へ、給与の再配分をしてほしい」といった意見があった。
ある信託銀行の若手行員は、支店で契約書類をチェックする仕事をしている中高年社員を批判していた。その社員は、若手社員が苦労して顧客から獲得してきた契約に対して、上から目線で不備を指摘するだけだという。若手社員の相談にも乗らず、定時になったらすぐに帰ってしまう彼の給与が自分よりも高いことに、納得がいかないというのだ。
確かに、実際に働いた実績分が会社からの報酬であるとすれば、つじつまが合わない。しかし大半の人は、少しおかしいと思いながらも毎日を過ごしている。
なぜオジサンたちは、比較的高い給与を手にしているのだろうか?
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