あなたの隣の「働かないオジサン」 無気力、評論家、仕事をしてるフリ……

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どこの職場にもいる、「働かないオジサン」――若手社員の不満が集中する彼らは、なぜ働かなくなってしまったのか? 「どこの職場にもいる」ということは、何か構造的な問題が隠れているのではないか? ベストセラー『人事部は見ている。』の筆者が、日本の職場が抱える問題に鋭く迫る。
※写真はイメージ(撮影:今井 康一)

意欲が感じられないオジサン

1年前くらいから、若手社員向けの書籍を書くために、20代、30代の社員を中心に取材を進めてきた。会社生活で悩んでいること、疑問に感じていることを聞き取り、意見交換を続けてきた。

そのときに意外に多く話題に上ったのが、中高年社員、オジサンに対する批判である。

ある不動産会社のリフォーム部門に在籍する20代の社員Aさんは、50代の男性社員とペアで営業活動を行っている。そのオジサンは時間にルーズで、アポイントメントの時間に遅れてくることすらある。

顧客を前にして、相手の要望を引き出すのも、リフォームのメリットを説明するのも、すべてAさんの役割だ。オジサンは横にいて、ただうなずくだけ。若手社員の間では、課内に3人いるオジサンを「うなずきトリオ」と揶揄しているという。

会社に戻ってからの顧客情報の整理、活動報告書の作成、上司である課長への報告もすべてAさんが担当している。以前は、課長への報告はそのオジサンに依頼していたが、課長に「君から直接報告してほしい」とやんわりと指示された。

会社のルールでは、顧客のニーズにきめ細かく対応するために、複数人で訪問することになっている。しかしすべてひとりでやったほうがスムーズに仕事が進められると感じている。

オジサンの席はAさんの隣なので、彼のパソコンの画面が目に入ってくることがある。ある日、メールのほとんどが未読になったままであることに気がついた。自分の関心のあるメールしか開かないらしい。そういえば重要な連携事項を知らないことがたまにある。

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